大量のゴミ
カラカラと、コロコロと、拠点も目前にした位置で鳴り響いた音にビクリと体を震わせる。
すっかり意識の外に追いやっていたし、こっちに住んでた頃は無意識に対応していたから忘れていたが、鳴子の警戒網を張っているんだったな、やはりどうにも締まらない。
積まれた薪から適当に組み上げ、火を灯し串刺しの魚をセットする、ジュージューと油が爆ぜて魚の焼ける良い匂いが漂ってきた。
焼けた物から順に食べつつ、焚き火から離したりして焼き加減を調整する、焦げた魚を食べるのは嫌だしな。
食事も終えて、少し休憩するためにシェルターに向かう、相変わらずの見た目の悪さに若干ながら気分を落としながらも荷物のチェックを済まし、着替えやら調味料やらの無事を確認した。
ついでに必要な物を持ち出して延びと欠伸を一つして、拠点を後にする。
一先ずは磯に向かい、竹筒を海に沈めて僅かでも食料を確保できる確率を上げておく、大した手間でもないが成功した時の報酬の大きさはかなりの物だしな。
さて罠も設置した事だし早く漂着物との格闘に勤しむとしよう。
数分浜辺を歩き、早々と目に入ってはいたが理解したくない現状として、最高に最悪な量のゴミゴミとした山が鎮座していた。
どいやらこの間の雨の日に流れ着いたらしいが、よくもまぁこれだけと言いたくなるくらいに大量のゴミがそこには在った。
これはかなりの難事になるな、正直に言ってやりたくないくらい複雑怪奇に絡み合ったゴミがカオスな様相を見せながら存在している。
探すとか以前に何か一つ引っ張り出すだけでも大変だな。それでも少しずつやっていくしかないだろう、これだけ有ればホースの一本くらいは紛れているだろうし、ある意味では幸運とも言える。
ゴミの山に挑戦する事2時間半、少しずつ使えそうな物を選別しながらの作業とは言え、ほんの少ししか進めていない。
今のところの成果は木の板と一斗缶、ボロ布やロープ、釣糸が少しだけ、久々に色々と補充できたが欲しい物ではない、まだまだゴミの山は鎮座しているしゆっくりやっていくしかないな。
干潮まで残り1時間、だがそろそろ集めた物を拠点に持ち帰った方が良いだろう




