耐久性
海水の塩分濃度はその塩辛さのイメージに反し一桁%らしいと聞いた覚えがある、それも四捨五入で0になるレベルだから高くても4%しかない。
つまり計算上は海水一リットルを使って取れるのは多くて40gであり実際には半分以下として17~8gくらいだろうか、残念ながら注いでいる量が不明で軽く数リットル、取れる量もおにぎり何個分だと言いたくなる程度には多いから判断しきれない、ただ純然たる事実として100gかそこらの塩を手に入れるために消費する薪の量と労力は半端ないという事実がある。
塩田とかで濃縮するならもう少し効率も良いのだろうが何をどうすれば良いのか解らないからな、何度も何度も往復して海水を鍋に注ぐしかない。
人類の叡知ではなく肉体による方法でソレナリの量の塩を確保する、これでまた少しばかり増やしたが予定量にはちょっとばかし足りないな。
まぁ想定上は1日も作り続ければでそこから数日、使い減りした分を考えると当然ではある、まぁ次の機会に1日使えばそれまでに使用した分とで上手く釣り合いが取れるだろう、仮に少なくても現状では問題無いし最悪のパターンが起きたとしても対症療法的に塩作りをするだけで解消できてしまう。
片付けを済ませて手早く漁も済ませてしまう、早くしないとせっかくの火種が消えてしまう、着火は慣れた物で大した手間でも無いが焚き付けには限界があるし無駄は少ない方が後々で思わぬ余裕になるものだ。それこそ近場に薪になりそうな木が無いわけだし枝打ちで多少延命するとして探索の時間くらいは捻出可能だろう。
食事を終えて片付けを済ませてから寝袋に体を入れる、明日は薪の搬入と時間が余ったら排水路のチェックとかしようかね、交換するにしてもしないにしても磨耗具合を確認しないと運ぶ量に目処が立たない。
この間確認した時は問題ないレベルだったが一部は汚れや黴が発生していたからな、幸いして竹は排水路と言うか雨樋に使われてきたしその耐久性能も高い、ただ元から虫食いとか有ったからな、全てが最高品質というわけでもないし腐り出したら後は一気にだ。
怖いのはそこから隣の竹にと進行するパターンだな、早めに手を打てば交換する竹の量は減るし作業に必要な時間も短縮できる。
気付けば朝というのはある意味で時間跳躍とかしてるんじゃないかとも思うのだが眠気を感じる事や睡魔を感じる事は有っても自分が寝る瞬間というのは体感した事がないな、まぁ意識したら寝れないだろうし構わないと言えば構わない、それこそ俺の人生が終わるまで体感しなくても困らないしな。




