チマチマと
気持ちのいい目覚めと共に外を確認する、とりあえず雨は降ってないが地面は濡れているな、やはり今日は搬入作業は無しの方向で進めるのが吉だろう、代わりに椅子とか作って時間を潰すとしよう。
ただそれでも時間は余るし久々に燻製も作ってみるとしようかね、まぁ捕れる魚にもよるから絶対ではないが。
とまれ何時もの如く動き出すとしようか、ただ足元にだけは注意しないとだ、転びでもしたら地獄しか見ない。
一通り体を暖めて磯に向かう、雨上りだからか寒いが普段通りと言えば普段通りだな、もっと寒い日も有ったし耐えられない程ではない、吐く息は白いが空に雲はほぼない、雨は降らないだろうが放射冷却が怖いな、雨上りだし日が出るまでに一気に気温が下がりでもしたら太陽が顔を出しても気休め程度しか上がってくれないだろう。
寒さは敵だからな、熱さも辛い物が有ったが塩舐めて水飲んでで簡単に対策が取れてしまう、頭から水被るとかでも良いが寒さは着込むか燃料を消費するかの二択で前者は限度が有り後者はリミットが有る、後はもうひたすら走るとかのスポ根とか脳筋的な解決方法くらいしかない、墨巣さん的には走り込みとか余裕で上等なんだろうが俺は本来インドア派なんだよな。それに何より足元が悪いという問題が累積している、雨だけではなく森の中という悪条件、砂浜走るとかすれば良いのだろうが負荷と脳筋感が増すだけだ、或いは青春の一ページ的な絵面になるだけだな。
とまれ、今は漁からだ、走り込むにしろスクワットをし続けるにしろ腹を満たす準備は必要だ、ただまぁ幸いにして今回の作業は火を使う、体を暖めるのは容易い。
心配なのはこれから先だよな、まだ年末どころかクリスマスも先なんだこれから更に寒くなる筈なのだから恐ろしくて仕方がない。
そのための下準備としての薪であり贅沢に使って1月を越えるくらいは持つし無駄に使わず燻製とか塩とか作ればもう少し伸びる、ただ安心はできないな、とりあえず2ヶ月は有るからその間にまた薪探しをするか枝打ちでチマチマと稼ぐか、どちらにしても余裕はある、先んじて累積した課題を片付けてしまうとしよう。
ハゼとゴンスイが多めで少しばかり鰯、それにタコか、燻製にも焼き干し補充にも十分だろう、墨巣さんがカワハギを突いているし昨日消費した焼き干しを補填してもソレナリの量の燻製を作れそうだ。
とりあえず下準備として小魚を手早く処理して内臓を竹篭に入れていく、匂いで小魚やそれを狙う魚が来てくれたならそのまま罠の中に入る奴も居るだろうと初めて久しいがどの程度の差が有るのかは解らない、それこそ食べるには小さいのをぶつ切りで入れた事も有ったが空振りだったし何が幸いして捕れるのかは全く掴めていない。
それなりに回数は重ねたが本当に漁だけは未確定で先が読めない、仮に明日と言わずに今日の夕方の漁でボウズでも嘆きはしても驚きはしないだろう。




