最善の悪手
最善は並行作業だろう、どちらも急を要するのを理解して愚策でもやるしかない、間違いなく後悔する事になるだろう、それでもやらざるを得ない。
そうと決まれば優先順位を決めよう、第一目標はホースの確保だろう、今までも拾わなかっただけで何度か流れ着いているし、3日を目処に動くとしよう。
第二目標は本拠地予定地の整備、第三目標が引っ越し、第四が薪倉庫の建築、第五は未定だな。
とりあえず今日は夕食と休眠だ、時間は差し迫っているし、拠点まで戻るとしよう。
と言うか、戻りながらでも考え事はできた、やはりままならないな、無駄なく完璧にとはいかない、当たり前だがミスなく完璧に事に当たるのは不可能、それでも近付ける事はできる筈なのだ。
さて、本日も大量の焼き魚というメニューだ、捕ったばかりの魚を焚き火で焼き上げるという、場所が場所なら一尾300円は取れるだろう、そう考えればかなり豪華な夕食かもしれない。
まぁ、ここじゃデフォルトだからありがたみなんてものは遥か彼方に消え去っているが。
さて、明日はとりあえず前の拠点に戻る必要が有るな、持っていくのは寝袋と荷物だけで良い、テントまで持ち帰るのは面倒だし、何よりシェルターを作った意味がない。
今日はもうゆっくり眠るとしよう、この数日で気疲れが溜まってしまった感がある、どうにもミスが多いし、ずっと悪手を打っている気がする。
今日もまた新しい朝が来る、そして新たな計画のための日常も始まる、これまでの1ヶ月が問題捜しなら今からの1ヶ月は対策と攻略にしていこう。
とりあえず荷物を纏めて出立の準備からだな、と言っても寝袋をリュックに詰め込んでテントの出入口を閉めたら終わりだけど。
磯で魚を確保して鍋に容れ、そのままシェルター目指して歩き続ける、一度引き返して森ルートも有りだとは思うのだが、なんとなく浜辺を歩きたい気分だし、何より引き返すというのがどうにも無駄な気がする。
位置関係で言えば距離は同程度だし、見た目が大量の木か水かの違いと足元の差くらいだ。
久々に前の磯に到着する、やはり広い、今の磯と比べると倍は違うなこれは、だいたい一週間ぶりの光景になるが見た目の派手さは流石の一言に尽きる、ただし今は水の底に沈んでいるため思い出によるイメージ補正も入っているだろうが。
さて、海を見詰めるのは今度で良い、久々に拠点に向かいお昼ご飯にしよう。




