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お日様

 結局先延ばしを選んだが崩れに崩れて10手と持たずに瓦解して王を討ち取られた、地面に書いておいた棋譜に従って今度は腹を食い破ってみたがやはり破れかぶれだったらしく10手は耐えたが討ち死にだ、粘りで言うなら後者の方が良かったのだろうがその様は駄々っ子が暴れるが如くだ、勝負の世界に美しい物なんて無いし汚かろうが卑怯だろうが勝てば官軍。

 盤上の世界とは言えそれは変わらない、汚く土を食らいながらでも臥薪嘗胆に挑むくらいでちょうど良い、少し打ち筋を変えてみるかね。


 同じく仮想望と一戦を交えて一進一退の攻防を続けて粘って粘って一転して相手の隙を作りクイーンを敵陣深くにねじ込む、チェックを掛ける一手ではないが放置すると数手で向こうのクイーンかビショップを倒せる位置、打開策は二者択一のみだ、或いは諦めてガン無視だな。

 とりあえず望ならこうだろうとクイーンを守りつつ攻めに転じやすいように布陣を張っていく、俺は俺で守りを固めつつビショップを打ち倒して素早くクイーンを戻してまた粘りの戦いだ。


 なんとか粘り勝ちできた、とは言え変わった感じはないな、長年続けた打ち筋だし簡単に変わる筈もないか、もう少しばかり続けて実感するまで試した方が良いのかね。

 仮想先輩、仮想親父、仮想祖父の三連戦で二勝一敗、何となく形は見えて来た気もするが一日でどうにかなるものでもなし気長にやるとしよう。


 漁を済ませて食事も済んで明日からの作業に備えて早めに寝るかとテントに入る、温泉効果でグッスリ眠りたいがさて明日の目覚めは良いのかね。

 まぁ起きれば解るし起きる頃には忘れている、頭を動かすより目を閉じて明日を待つとしよう。



 寒い、また寒波が来ているらしく凍えるような寒さで吐いた息が白く曇る、こう寒いと寝袋から出たくないな。

 それでも起きなければと気合いで、それでも亀のようにノソノソと這い出て外よりは少しばかりマシだろうテントの気温を全身で感じつつ身支度をすませてしまう。

入り口のチャックを開けるのも嫌で仕方がないが気合いと根性で開いて外に出る、一気に指先が凍るような感覚と鼻の中の傷み、さらに軽い頭痛と吐く息の白さ、今年一番の寒さかね、少なくともこの島に来てから一番寒いと思う、間違いなく現在の気温は0度近く5度を越えないだろう。


 お日様も顔を出していないし空は雲一つないから放射冷却で寒さも増しているのだろうが太陽が登ったとしても気温が二桁を越えるとも思えない、このまま続かない事を切に願うな。

 とりあえず体を暖める意味でもストレッチと体操で体を動かして全身に血を巡らせていく。

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