ランク外
お昼ご飯を楽しんでから減った薪を補充するべくルートを行ったり来たりしつつ纏めておいた薪を運んでいく、回数は少ないがそれなりに使うからな、元の量も有って目減りが物凄く急激に思えてしまう。
幸いにしてと言うべきかルート開拓で枝打ちした薪がそこら中にだ、拠点よりも薪集めは容易く楽だ。
まぁ腰を曲げて拾うのと切り倒すのとどっちもどっちかもだが少なくとも切り倒してないし枝だからな、割る必要もない分だけマシだろう、ただ運ぶ必要は有るし一度に運べる量も微妙だ、枝だとどうしても焚き火が長持ちしないからな、その分だけ量が必要となる、どうしても往復の回数は増えてしまう。
とりあえずそこそこの量は確保したがまたすぐに無くなるだろうな、まぁルートを歩く度に拾ってはポイント近くまで運んでいたからな、近くには集まってきている。
それら全てで春まで持つかは不明だがこの辺りと言うかルート途中には細い木がそれなりに群生しているポイントが有るし炙るだけなら薪はそう使わない、懸念材料としては微妙な所だろう。
表面化していない問題まで掬い上げて考えていては精神も脳も持たないし今回に限っては先伸ばしでも大きくならない、ならば忘れるのは少し違うが優先順位ランク外をウロウロしてもらうとしよう、何時かは浮上してくるかもだが現場においては悪さもしないし何にもならないのだから。
拠点に戻りはしたが漁までまだ二時間かそこらは有る、休暇を楽しむかそれとも作業を少しでも進めるか悩むな。
作業を進めるならある程度ではあるが薪を運べるし明日には一本分を運び終えるのも夢ではない、どころかもう一本の粗加工も見込めるかもだ、だが休暇気分から切り替えるのは簡単だが難しいという二律背反な難事だ、効率を考えるなら動いた方が後々の余裕になるが体力面を免罪符に休む事もできてしまう、その程度には疲労も溜まっているし温泉で癒えてはいない、幸いな事にリバウンドは抜けているしボタン弾いて決めるかね。
表なら休暇、裏なら作業と決めて上着のポケットに入りっぱなしの予備ボタンを親指で弾く、空中で回転するボタンを手の甲と掌で挟んで開いてみれば表だ、四つ穴と縁の膨らみが輝いて見えるのは休みたかったからかね、何にしても決まったからには休むとしよう。
とりあえず久々に仮想望との一戦を交えるとしようか、挟みチェスとは言え最近墨巣さんに押され気味だし粘りを鍛える意味でも長期戦狙いで行ってみよう。
三手前に前線に上げだポーンが邪魔だな、あの時は最善手に近かったし上げなければ守りの要であるビショップを失い済し崩しでナイトが死ぬかもしれない局面だった、しかし今は相手のルークを押さえるにもこちらのナイトが駆け付けるにも邪魔な位置に居座っている。
かと言って動かせば前線が崩れて防衛網が機能しない、手としてはクイーンを捨てて相手の腹を食い破るか、それともルークを差し出して問題の先延ばしか、或いはキングを動かして戦域を変えるのも手だろう。
妙手を探して盤面をあらゆる方向から見続けて残りの駒の移動先とそこから想定される一手先の相手の動き、数手先の手詰まりを潰すための一手が欲しいな。




