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やれない事はない

 漁を済ませば大漁には届かないが何時もよりは捕れたな、どうやらリバウンドは脱したらしい、タコも捕れたしタコ飯と焼き魚に煮魚でも作るとしよう。

 塩揉みして滑りを取って下茹でしたタコをぶつ切りにして洗った米の上に散らし醤油と酒を加えて炊き込む、火加減を調整しつつご飯を炊いていく、その間に魚を捌いたり煮付けを作ったりして時間を埋めご飯を蒸らすタイミングで魚を焼いていく。


 流れるように調理を進めてついでに片付けも大まかにだが済ませる、後は配膳の用意をして盛り付ければ夕飯だ。

 腹いっぱいになるくらい食事を楽しんで久々に満足のいく食事だったと一息だ、明日は温泉だしリバウンドから抜けて良かったな、別にリバウンド中でも予定に変更は無かったが色々と面倒だし懸念が無いというのはソレだけで心を軽くする。

せっかくの休養なんだからストレスから開放されたいしな、体は休まっても心が休まらないんじゃ体だって付いてこない、食事問題という大きな不安材料が一つ片付けば後は移動距離と移動中の警戒くらいしかストレスは発生しないからな、五十歩百歩かもしれないが倍も違えば相当に違う、この場合はドングリの背比べの方が相応しいのかね。



 微妙に寒いが雨は降ってないし絶好の休息日和だな、温泉に椅子の材料拾い、可能なら新しいルアーのチェック、怒濤の勢いで片付けてしまいたいな。

 とまれ、まずは飯の確保からだな、どうせ焼き干しになるが減るだけというのは承諾できない、一匹でも良いからマイナスを小さくだ、まぁリバウンドは抜けたからプラマイゼロか増えるくらいは望めるだろう。

漁場に到着すると同時にテキパキと準備を進めて作業に移る。


 タコに小魚がソレなり、ウツボが一尾か、焼き干しはマイナスだが朝飯は物凄く豪勢だな、惜しむらくは墨巣さんがボウズって点だが十分だな。

 焼いたウツボと炒めたタコで朝食を終えたところで焼き干しをお弁当に出掛けるとしようかね。


 森を抜けて温泉に到着する、寒いからか湯気が多く見えるな、天然の川湯露天で吹き曝しだから地味に寒い、どうせなら森の中に有って欲しかったが温泉に浸かれるだけ有り難いと思わないとだよな。

 あるいは今から終わりの見えない土木工事に邁進するかだが森まで数メートル、人力で繋げるには少々と言わずに無理が有る、やってやれない事はないだろうが完成するのは春だろうな。

流石に完成した頃にはこの地を去っているような物を作ろうとは思わない、使えて数週間で使って数回だ、労力に全く見合わないのだからやる気も起きないだろうし間違いなくトラブルで遅れも出る、普通に考えて無しだな。

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