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判断ミス

 完全に乾いていると言える物は片手の指で数える程、使えはするという物が両手に収まるだけ、ギリギリ実用に耐えるかどうかが大量に、まず無理と自信を持って断じる事ができるのは山のように。

 やはり乾ききらなかったか、判断ミスは命取りと理解していても、ゼロのまま暮らすのは無理だ。

だが今回のミスはかなり痛い、せめて昼からでも干していたなら結果は逆だっただろう。


 さて食料は確保できているが、分の悪い賭けになるが、火を使うとしよう、失敗の確率は予想として七割、俺の幸運が絡んでも六割近い、まぁ四割も成功率が有るんだ、賭けるべきだろう。

 失敗したら失う物は薪が少しと食料の残念さ、成功なら全て帳消し、いくら危ない橋を渡りたくないとは言え、得られる物の差を考えれば渡るしかない。


 使えそうな薪だけを集め、避難させていた木の皮と共に火を着ける、ジリジリとした種火からゆるやかに木の皮が燃え盛り、木の枝に燃え盛る、ここまでは良い、問題はここからだ。

 ギリギリ使えそうなまだ湿気った枝にさえ燃え移ればほぼ成功と言える、今の段階から下処理を済ました魚を焚き火に当てる。

さて、残った木の皮を全て使う気で投入しつつ様子を注意深く観察する、表面の水滴と言うか湿り気は無くなっているし、そろそろだと思うのだが。


 なんとか四割の成功を引いたらしく、赤い炎が燃え盛る、ここまで来れば少し湿気った薪程度なら使える、向かないのは確かだし調子に乗って大量に加えれば消えるが、慎重に注意深く確実にこなせば良いだけだ。

 魚を焼きながら注意深く炎を維持し、ようやく一息が吐ける、落ち着いて考えればやはり判断ミスは有った、ある程度の太さを持つ薪に拘らなくても、小分けにして投入すれば炎で乾かされ燃え移りやすくなる、焦りが視野を狭くして判断を鈍らせた結果だな。

深呼吸でもして落ち着いて事に掛かればミスはしても致命的ではなかった筈だ、今回は上手く行ったが次は解らない。


 とにかく次が来たら今度はミスしないように気をつけるとしよう、さて本日の夕食は焼き魚が数匹、久々に抑えめの量だが生で食う可能性を考えて数を絞った結果だ、甘んじて受け入れよう。

 まぁ仕方ない、しばらくは掛かる長期的な計画となるし、腰を据えて取り掛かるべきだが今は目の前の魚を重要視しよう、骨も残さずと言いたいが多少は残して食べ尽くす。

さぁクヨクヨは夕飯と共に飲み込んだ、明日への活力源にして眠るとしよう。

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