理想
微妙に調整しつつ網を張りようやく干場が完成だ、ただ残念ながら位置的な問題でお昼にしか使えないんだよな、慣れ親しんだ道とは言え真っ暗闇の夜に焼いた魚を持ってくるのは難しい、一夜干しだけは今までと同じく拠点の片隅で作るしかなさそうだ。
まぁ基本的に数日分を貯めて一週間前後で消費の繰り返しだしな、イレギュラーと雨さえ無ければ交換以外で食べる事もない、多少は便利にはなったかもだが目に見えて変わるって事はない。
とりあえず雨をそれほど気にしなくて良いくらいだが雨に濡れなくても湿度とかが問題にはなるから結局は変わらないしな、量に関しても網を吊るす場所なんて枚挙にだからプラスとは言えない、本当に微々たる差だが便利になったくらいの評価にしかならない。仮に有るとしても・・・・・・そうだな、急に雨に降られて雨宿りに使うとかくらいだがそれに関しても雨宿り可能な大木なんてそこら中にだ、無意味とは言わないが薪干場のように大きく状況を左右しない、切り札にはなり得ないが手札を増やした程度の認識だな。
夕飯までまだ時間は有るしもう少し調整してみるかね、まぁそれほど変わらないだろうが網の張り具合とかくらいなら拘っても時間的に余裕がある。
少しずつ調整しつつ理想の張り具合にしていく、緩すぎては魚を乗せても中央に集まるだけだし張り過ぎれば荷重が掛かりすぎると破れてしまう、程よく張りつつ余裕を持たせる絶妙の塩梅で張る必要がある。
とは言えだ、適当に張っても問題なかったりする、幅が広いとでも言えばいいのか張り具合はかなり適当でも問題ない、だから好みのと言うか、作業しやすそうな張り具合にしていく。
とりあえず良さそうな張り具合だが『完璧か?』と問われれば『そんなもの知るか』としか答えられない、正解なんて恐らくないからな、これが既製品とかなら決められた数値に収まるようにしないとだが拾った物を組み合わせただけだ、残念ながらどこまで行ってもニュアンスの域を外れない。
さて、そろそろ拘れそうにないし切り上げて拠点に戻るかね、まだ時間には若干の余裕があるし装備の点検でもするかね、定期的にチェックはしているから問題なんてないのだが機会を見付けた時にでもやっておかないと久々にになりかねないしな。
磨耗はしていても故障は無い、とりあえずは良かった、壊れていても修理は難しいと言うかほぼ不可能たからな、だからこそ僅かな異常も見逃さないように定期的に確認している。




