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怪しい

 墨巣さんが取りに来た時点で半分より少し上って感じだがとりあえずは十分だろう、どうせ補充に次ぐ補充で最後には似たような量になる。

 誤差の範囲内に収まるなら問題ないしそもそも明確な数字を出せるような物でもない、少なくともゼロで終わるような事にはならないしマイナスには程遠いならオールOKだ。


 上澄みを別の竹筒に注いですぐにまた汲んでおく、ある程度の所で三本抱えて拠点に戻り土鍋に入れてまた海に、とりあえずこれでタイミング把握が可能だな、流石に半分少し上くらいだと蒸発のスピードとか予測できない、火力だって安定からはほんの少し遠いしな。

 それでも経験からおおよその所は予測できるがそれは条件が同じならという但し書きが有ってだ、イレギュラーは当然ながら対応外、早急に通常へと戻す必用が有った。


 何度も拠点と海を行き来して海水を運んで運んで少しずつ塩分を高めていく、そのまま昼食を済ますついでに浮き出ている泡とかを減らすために一度濾してまた煮詰めてだ、どうせ海水を補充するとまた出てくるが少しはマシになるし汚れも少しばかり取れるからな、必用な事と割りきって熱い土鍋を濡れたタオルで上手く掴んで慎重に濾していく。

後は夕方までひたすら坂を登って降りてを繰り返せば夜には塩が完成だ、もう一頑張りしますかね。


 何度か行き来する中で海の向こうに舟影が見えた、とは言えタンカーやクルーザー、客船とかでも無さそうだな、少し気になるし上から見てみるか。

 一度拠点に立ち寄り海水を補充して墨巣さんに船の事を伝えるか迷う、思い過ごしならアレだしとりあえず一人で様子見といこうか、どうせ高台から見ても距離的に判断は難しいだろうしな。


 滝の近くから船が見えた方向を確認してみれば少しずつ近付いているらしく先ほど見付けた時と距離感がほぼ同じだな、海岸線より距離的には微妙に離れた位置から同じだから間違いない。

 上からだから舳先が此方に向いているのを確認できるし間違いなく北上してきている。

形的には一般的な漁船っぽいがサイズはあの距離だと、そうだな釣り船とかに近いか、少なくとも一挺で遠洋漁業に出るようなサイズには見えないな、仮に漁船でも狙いはマグロとかかね。


 少しずつ近付いてくる船だが釣り竿を投げ込んでいるようにも網を曳いているようにも見えないし漁の帰りかね、それにしては一直線に此方を目指しているっぽいが。

 と言うかそもそもこの近くの海域で自衛隊だか保安庁だかが訓練中とか爺が言っていたが期間とか聞いてないし判断に迷うな。

少しずつ大きくなっていく船は間違いなく俺がこの島に来る時に乗っていたような釣り船で、そのくせ釣り竿は一本も見えない、ソレなりに近付いてきて海岸線から300メートルかそこらだろうが船の上に豆粒のような物が動いているが釣り客なら竿を持っているだろうし漁船にしては仕掛けの類いを乗せているようにも見えない、そもそも網を引き揚げるためのウインチとかも付いてない。

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