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本音

 意外にレアな動物だったらしい、流石に祖父の若い頃から考えると保護がしっかりされているならソレなりに数は増やしているだろうがそれでも良いとこ3倍かそこらだろう、元の数がどのくらいかは知らないし現状にも興味はないが野生の内の一頭が何故だが島に居る、スマイリー共々ややこしさが増して面倒事がまたまた舞い込んで来たらしい。

 なんだ、この島は我が家の知らない間にノアの方舟擬きとかになっているのか、だとしたら神の悪戯に中指立ててやる、ついでに親指下に向けてありったけの罵詈雑言だ。

仮に俺を感心させる目的を持って神々の力を使ったのならモアとかドードとか出してみろ、この島ができた段階で絶滅してた種族が目の前に居たなら感心を通り越して例えそれが真冬に裸で富士山登山を強いる教義の宗教の神でも俺は喜んで入信するし真冬に裸でエベレストにだって行ってやるから。


「ふむ、これ以上は調べても無駄か、残念ながらマレーグマの生態についてはソレなりに記事も有るが島の周りで、それこそ広く見て日本国内でも1世紀は遡らないと出てこないな、とりあえず忌避剤で拠点に近付かない事を願え」

 あぁ、そう言えば種族が違った事は言ったがそこには触れてなかったな、もはや面倒を通り越した感覚なんだが仕方がない。


「残念ながら拠点に現れたんだよ、それもスマイリーと睨み合いの怪獣大戦争だ、ストレスで幻覚を見たのかと自分の頭を疑ったね、誰にも怪我無く済んだが次が有るとも思えない」

 仮に、仮に百回同じ状況になったとして無事に生き残れるのは片手で足りる、スマイリーに殺されるパターン、熊に殺されるパターン、殺されなくても怪我をするパターン、俺だけと墨巣さんだけのパターン、軽症重症含めても悪い方を引く確率の方が圧倒的に多い、二人揃って怪我一つ無くとなれば一度でも奇跡だろう。

それでも俺の幸運でなんとか二度は起こせるかもだが連続でとなれば不可能だ、長い人生でもしかしたらレベルの幸運とか流石に喜一クラスでないと無理だろう、と言うか喜一ならこんな状況にならなかったかもな、俺のいまいち精度のアヤフヤな虫の知らせと違って彼の御仁は日常茶飯だ。まぁ流石に流行病はどうしようもなく罹患してアッサリ死んだらしいがソレも子供と嫁さんが助かるように最大限尽くした上でだと伝えられてるから凄まじいよな。


 「忌避剤撒いたんだろうな? 流石にアレを撒いてなくてとかなら救いようもない馬鹿としか言えんぞ? 撒いて起こったなら絶対では無いからとしか言えん、まぁリタイアしたいならすぐにでも迎えを送るから安心しろ」

 その気ならもうやっていただろうな、それこそ熊とゴリラの背中を見送った瞬間にでも諦めてリタイアしている、だがあの瞬間に俺が真っ先にイの一番に考えたのは生活を続けるための一手だ、我ながら頭がオカシイとしか言えないがあの瞬間に選んだのは本質で本音だろう、根っこがソレならどれたけ考えた所で答えは変わらないだろう。

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