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今さらの報告

 ゴンスイとハゼを焼き干しに加工して古いものを炙って夕食にする、後はタコの炒め物だけだが十分だな、しかしタコの処理のせいで塩がそろそろレッドライン間近だな、場合によっては明日は休暇ではなくて塩作りに邁進しないとヤバイかもだ。

 と言うか塩作りで薪が大量に減るしドミノ倒しや雪達磨式に問題が連鎖していくな、まぁ竈だから焚き火よりは効率が良いのだが焼け石に水と言うか消費が緩やかになるだけで無くなる訳ではない。


 腹も満たされた所でいよいよ大一番だ、先輩が居ませんようにと祈りつつボタンをプッシュして呼び出し音が鳴り響くのを聞く。

「はいもしもし高田です」

良かった、とりあえず祖父なら先輩より、いやどっちもどっちか、狸爺と変態とじゃ話にならない、影が薄いだけで普通に常識人の親父とかちょっとお屋敷に住んでるだけの主婦のお袋とかじゃないと差が無さすぎる。

こう考えると我が家の変人率は半分か、俺が居てソノ先輩も居るなら変人率が高くなってしまう、まぁそもそも一族単位でご先祖から変人揃いだからな、親父みたいなのが例外なんだ。


「健太だけど追加で報告があるんだが」

 何時もなら牽制とかするんだがそんな元気は無い、まぁ内容的に親父が居たとてってのも有るが、残念ながら熊がマレーグマって教えた所でどうしようもない、親父だろうが祖父だろうがだ、なんとかできるのは猟銃持った誰かだな。


「うん? どうした? 随分と声に覇気が無いが何か有ったか?」

 何も無いなら電話なんかしねぇと言ってやりたいが面倒だ、結論から話して無駄無くそう、下手に長引かせて先輩降臨とか疲れるだけだからな。


「熊がツキノワグマじゃなくてマレーグマだっただけで変わった事は何も無かったな、まぁ熊の種類なんざどうでも良いってのなら俺と今すぐ代わってくれ」

 百歩譲ってヒグマとかならまだ納得もしただろうがマレーグマだからな、大した問題じゃないとは誰にも言えないし言わせない、熊には代わりないとは言えその種類がな、危険性とかは不明だがそれ以上に理由が解らない。

仮にだ、仮に誰かが投棄したならソイツを遠慮なく殴り飛ばしたい、それこそ馬乗りになってデンプシーだ、なんならそこまでにジャブもフックもアッパーも込みでサンドバッグになってもらいたい、まぁ相手が大人しく受け入れてくれる事限定だが。


「ちょっと待て、少し調べる」

 カタカタとキーボードを叩く音がするからマレーグマについてかスマイリーのような事故が無かったか確認中って所か。

「流石に海難事故は無いな、誰かが意図的に持ち込んだと考えた方が良いだろう、ただこの20年で国内飼育の実績は無いな、そもそも儂が若い頃に絶滅危惧種のレッドリスト入りして基本的に特定地域外への持ち込みが制限されていて許可も繁殖目的でのみ、飼育している動物園は世界でもソレほど無いな」

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