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足止め

 さて、早速警戒網を張っていくとしよう、とりあえず二手に別れて一気に範囲を埋めていきたいがロープ張って終わりじゃないからな、チマチマとコツコツと進めていくしかない。

 木と木の間にロープを張ってしっかりと結ぶ、それを何度か繰り返してある程度の所で持ってきた鳴子を設置していく、それが終われば鳴子を補充してまたロープを張る。

少しずつ少しずつ安全圏を確保していく感じだが正確に言うなら安全圏を強化だな、これが拠点を一周したならとりあえずは一段落だ、まぁ十分とは言いがたいし残念ながら効果はほとんど出ない、ほんの僅かに安全に近付きはするが数ミリとかがやっとだな。


 少しずつ警戒網を伸ばしていき少しずつ安全圏を強化していく、だが外側よりは内側とは言えそれなりに広範囲だからな、距離としては拠点の中央から10メートルとかそのくらいか、風が無ければギリギリ鳴子の音が聞こえるかなって距離だが単純に距離を出せない、何せ森の中を突き進む上に綺麗に弧を描く訳でもない。

 場所によっては下草刈らないとだし木から木の間が離れていたりでピンと張るのが難しかったりもする、数メートル進むのに1時間は流石に掛からないが30分くらいなら余裕で必要になる。

実際問題として漁が済んでから3時間以上、そろそろ昼飯の準備って時間帯だが8分の1程度しか進んでいない、俺の方が酷かったにしても墨巣さんと合わせて半分にも満たない筈だ、恐らく午後をフルで使っても七割に届けば良いかなって感じだろうな。


 お昼休憩を終えて少し休んで作業に戻る、明日もコレと思うと中々に辛いな、正直に言って面白みは全く無いしやりたくない作業にやる気なんか出るはずもない。

 心を無にしてやり過ごすにしても限界は有るからな、どうしたって無理はしている訳だし積み重なればそれは大きな問題として現れる。

その問題は目には見えなくとも間違いなく他の何かを誘発させて雪達磨式に大きく物事を巻き込んでしまう、まぁ短期的に効率を求めるならアリだが本当に短期的に、一度使えば少しばかり休ませる必要がある技術だしな、心を無にと言いながら悪い感情とかはカットできていないしダメージだって発生しない訳ではない、単に我慢する、もしくは無視して感じないフリをするだけ、そんな物が長く続く筈もない。つい先日も使ったばかりという事を考えればここは飽き飽きとしたストレスを甘んじて受け入れるしか方法は無いだろう。


 少し進んで設置して、また少し進んでは設置してを繰り返す、まるで双六で一しか出ないみたいな遅々とした歩みだがゴールは近付いている、まぁ幸いにして二人でサイコロ振っているから単純に一ではない、とは言え一回休みだの三戻るだので足止めは食らいそうなのだが。

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