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豪雨

 さて天気を嘆くのは止めにしよう、俺が嘆いたところでお天道様は変わってくれない。

 とりあえず最低限の食料は欲しいが残念ながら雨具はないし、いつも通りのジーンズにシャツで行くか裸一貫で行くかの二択だが服を着た方が良いだろう、どうせ濡れ鼠になるのは解っているがそれでも怪我の予防のためには仕方ない。


 雨に降られ水も滴るを越えて、水が流れ落ちる男となりながらも磯を目指して歩き出す、視界は良好とは言い難く足元も悪い、だがこんな日こそ魚は良く釣れると聞くし、数は期待できる。

 見慣れた磯も今日は荒れ模様でまったく違う場所に見える、とにかく水を掻き出して潮溜まりを狭めたいのだが、この雨だと掻き出すより早く水が流れ込むだろう。

銛を使おうにも水面が荒れて魚影は見えないし罠はシェルターに置いてきたままだ、現状で取れる方法はおそらく一つ、端に追い込んで掬い上げるしかない。


 バシャバシャと降り注ぐ雨に負けじと足や銛で水面を叩き、少しずつ端に向かって歩きだす、一部は窪みに隠れるが数匹くらいは薄盆状の端に向かう、後は銛を上手く使いながら左右に逃がさぬよう進み、追い込まれた所を一気に鍋で掬い上げる。

同じ行程を6回行い魚を捕らえたのは2回、僅か4匹の成果だが少なくとも水だけの生活は免れた。


 下着の中までびしょびしょになりながら拠点に戻り、荷物だけをテントにいれて服を脱いで絞る、ついでだから天然のシャワーといこう。

 全裸になって体を手で擦り、頭を指で揉む、残念ながら洗剤はシェルターの中だが久々に体の汚れは流せるだろう、皮脂に関しては後日改めてになるがスッキリはする筈だ。


 体の汚れを洗い流し、早々にテントの中に転がり込んでタオルで体を拭く、流石に濡れたままでは風邪になる、贅沢を言えば火でも起こして体を暖めるのだが流石に今日は無理だ。

 下着のみを身に着けて、とりあえず寝袋に入る、少しでも体を暖めたいし残念ながら替えのズボンや上着はシェルターだ、少なくとも明日まではパンツとシャツのみで過ごさないといけないし、明日になってもズボンは生乾きで履かないといけない。


 さて体も暖まったところで食事だ、と言っても魚を捌き、生で食うだけなのだが。

 本当なら寄生虫とかを考慮して、せめて炙りたいのだが火は使えない、いくら最近のテントが耐火性に優れているとは言え、小さな蝋燭や小型コンロに対応するというだけで内部で焚き火は無理だ。

仮にできたとしてもスペース的に火傷は必須となる。


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