マトモ
一通りの考えと流れを話して帰ってきたのは『まぁ良いでしょう』という納得はしていないが承諾だった、とりあえず説得に時間を掛けてというのは無くなったか、とにかく時間との勝負だが問題は期限が全く解らない上に終わりがないって点だな。
例えば明日スマイリーが現れるかもだし二度と顔を見せないって事も有る、なんと言うかこの生活以上に不透明だな。
残念ながら野性動物の行動パターンなんて予測不能だ、それも犬とか猫とかならまだしもゴリラとマレーグマとなれば専門家でもなければ想定はできない。
と言うか狸と鹿までは目を瞑るとしてゴリラと熊って、それもマレーグマってなんだよと今更ながらに思ってしまう、スマイリーに関してはまぁ百歩譲って良い、日本に来る船旅の途中で船から落ちて流れ着いたのだから、だがマレーグマは意味不明過ぎる、名前の通りマレーシア辺りに住んでる奴が何をどうしたらこの島に来るんだ、千歩譲って沖縄とかならフィリピンとか経由して泳ぎ着いても納得はするがこの島は東西南北どの方向も200キロは離れた離島も離島だ、何をどうしたら泳いで渡れるのか想像できない。
となれば誰かが故意に持ち込んだかあるいはスマイリーと同じパターンかだな、だがマレーグマが海難事故になんて記事は見た覚えはないし仮に覚えていないだけでも疑問は多分に残る、スマイリーだけではなくマレーグマまで流れ着くか? いくらなんでも確率は低すぎる、しかも狸や鹿の例を考えるなら天文学的な数字になるだろう、いやスマイリーの時点で天文学的な数字なんだろうが。
もはや奇跡とか通り越した果てに起こった何かだな、例えば神様の悪戯や悪魔の企み、サイコロ振って出したにしてもまともな神経してたら実行しないような事で仮に悪魔でもあまりにもあまりにもな事過ぎて実行しない、少なくとも俺ならもっと効果的に人間をどうにかするしこんな事に無駄な労力は割かないな。
と言うか悪魔ならマレーグマとかじゃなくてホッキョクグマとかグリズリーとかヒグマとか用意するだろう、どんな閃きでもあんな何処と無くマヌケな雰囲気のある熊を用意しない。
ツラツラと思考を巡らせるのは常だが久々にカオスから離れた気がするのは気のせいではないな、真面目に一つの事に集中してってのは本当に久々だろう、まぁそれだけ問題が大きいって事なんだろうが。
なんと言うか他人事と思わないとやってられないくらいに厳しい物がある、常に現実逃避と言うかそんな状態じゃないと自分を保てそうにない。
と言うか誰でもキャパシティオーバーになるだろう、どれだけ肝が据わればこの状況で狼狽えずにいられるのかと言いたいね。




