答え
とりあえずロープを確認しながら拠点の回りを一周するが弛んでいたのは二ヶ所か、ただ問題は一ヶ所は熊のやって来た方向でもう一ヶ所もおおよそその方向と言えるって事だな。
スマイリーは俺の後ろから来た訳だから跨いだと考えるか聞こえなかったかだ、まぁ彼なら普通に跨いでいても驚かないが。
とりあえずこれで良い、後は音だが墨巣さんに拠点に残ってもらい少し鳴らしてみる、間を置いて今度は派手に、さて聞こえたなら良いが聞こえていないなら俺達が早期警戒ってのは無理だぞ、仮に聞こえていても気象状況や状態によっては無理かもだが。
墨巣さんと合流して聞いてみれば最初の方でもなんとか聞こえたらしい、となると聞き逃したって線は無いとは言わないが薄いし彼らが通る前から弛んでいたと考えられる。
さて続いて外側の警戒網だがこっちはかなりの距離になるからな、半分も終わらずにお昼ご飯だろうがとりあえず進めよう。
とりあえず立ち去った方角に弛んだ様子は無いが内側と違って拠点からそこそこ離れているからな、範囲が広い分だけズレも出る、それこそ直線で進んだなんて証拠は無いからな、残念ながら足跡とか見付からないし見付ける技術もない、何処からどう来てどう去ったのか知る手段は全くない。
軽く進んで見たがとりあえず見た範囲に問題は無しか、森の中を進むから予想より作業が捗らないが夕方には間違いなく終わるだろう。
お昼休憩を挟んで作業を進めて半分をクリアする、今のところ警戒網に弛みや問題はない、となると残り半分に問題が有るのかそれとも跨いだのか、残り半分、サクサク済ますかね。
二ヶ所か、完全にロープが切れているヶ所と微妙に弛んだヶ所、切り口を見るに何かの力が一気に引きちぎったって感じだしおそらくここが侵入経路だろう、まぁどちらがこれをやったのかは解らないが間違いなく昨日のタイミングでやられたと考えるのが妥当だろう。
そしておそらくやったのはマレーグマだ、その上で触れれば音が鳴ると学習した可能性は高い、マレーグマがどうかは不明だが熊はかなり頭の良い動物だしな、一度触れて鳴り響いた音を関連付けて、そして簡単に跨げそうな所を探しだしてもおかしくはない。
これらは想像であり可能性でしかないがそこそこ高い可能性だろう、少なくともあり得ないと一蹴するくらいに低くはない、とりあえずこれで理由と言うか一つの答え探しは終わった、後はこれを元に対策と対応だが難しいな。
最も手軽な対策としては忌避剤を撒く事だが既に撒いているし何度も撒いた所で効果はそれほど出ないだろう、雨やなんかで多少は流れたとは言え効果期間内だし動物からしたら嫌な臭いはまだまだ発している筈だしな。




