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快癒

 漁に向かった墨巣さんと入れ替わるように川に向かって手早く洗濯を済まして拠点に戻る、後は干しておくとして寝袋の方は昼までは乾かしておきたい。

 とりあえずやるべき事は片付いた、幸いにして疲労感と多少の体調不良を除けば動けなくはない、何時もより疲れやすいし回復に時間は掛かるが無理をしない程度の範囲で動いても身の回りの事を片付けるには十分な余裕があるだろう。


 昼御飯を済ませて乾いた寝袋を取り込んでテントの中に敷き直す、後は入り口と小窓を塞いで休むだけだな、疲労感が一気に襲ってきてそのまま睡魔も顔を覗かせる、このまま夕方まで寝入るとしようかね。


 かなり寝たのにまだ眠い、薬とか飲んでないのにこれだけ睡魔が来ているのは体力の消耗か精神的な物か、まぁどちらにしてもソコソコは回復した、まだ疲労は抜けないし微熱は残っているが明日にはほぼほぼ全快だな。

 ただ無理は禁物だろうし明日も休みだな、思わぬ休暇だが全く休めていないと言うかむしろ消耗している、改めて病気の怖さが解るな、実家なら親父がテキパキ栄養剤注射だし一人で暮らしてた時も薬飲んで寝てだ、ここだと両方無いからな二日程度で回復したのは本当に大助かりだ。

しかしアレだな、いまさらで思い出しだが昨日の夜か夕方のヒヤリとした感覚は墨巣さんが頭のタオルを濡らしてくれたって事なんだろうな、たったそれだけでも相当に救われたし助かった、少なくとも安心感は有ったし人恋しさとか感じる事も無かった。


 墨巣さん謹製の夕飯を食べてエネルギーを確保する、しかし慣れれば慣れる物で火を扱うのも魚を捌くのもかなり上手い、刺身もぶつ切りよりはキレイに盛り付けられているし料理の腕がやや上昇しているな。



 ゴソゴソと這い出て久しぶりになんの引っ掛かりもなく鼻から空気が吸えるのが嬉しくて仕方がない、頭も痛くないし熱っぽくもない、若干の気だるさは残っているし喉に痰が残っている感じはするがほぼ無視できるレベル。

 手放しに全快とは言えないが九割方回復したと言って良いだろう、まぁ無理をしたらぶり返しで倒れそうだから大人しくだが漁くらいなら問題ないし幸いにしてやりたい事は幾つか有る。


 とりあえず水の補給やらストレッチやらを済ませて装備を確認する頃には墨巣さんも起きてきた、顔色に問題はないし病気を移したって事は無さそうだな、これで入れ替わりに風邪にでもなっていたなら俺は後悔と自己嫌悪で立ち直れないぞ。

 二人して朝のルーティーンを済ませて漁に向かう、数日ぶりだが懐かしさも何もないのは日常のワンページですらないからだろうな、すでにワンページではなく一行とか一言レベルで当たり前だ。

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