掃除
詰まった鼻とビリビリ痺れるような頭痛と体の怠さ、山は越えても依然として病は精力的らしい、それでもそこそこ回復したって事は少なくともインフルのような強烈な病ではなかったらしくソコだけは助かったな。
とりあえず水の補給と用足しを済ませて拠点に戻る、ほぼ真っ暗だが早朝と深夜の間くらいかね? だとしたら晩飯食ってなかった気がするしこの空腹にも得心がいく。
とりあえず焼き干しでも食べて腹を少し満たしておこう、体力も消耗しただろうしエネルギーが必要だ。
眠れそうにも無いので手早く着替えを済まして寝袋を近くの木にかけて干しておく、それなりに汗や露に濡れていてあそこに潜り込むのは病を悪化させそうだ、少なくとも昼までは乾かしたい、後はテントの中の空気を入れ替えるか。
先ずは入り口をガバリと最大まで開き、反対側の上部に付いた換気用の小さな窓になるチャックを開いて放置する、これで少しは風が抜けて空気が入れ替わる筈だ。
一通りの作業を終えて次は洗濯をしたいところだが少し休憩だな、普段ならどうって事無い筈なのに疲れている、流石に無理をしすぎたかね、だとしたら悪化しない事を願うが片付けたい事の半分程度しかまだ済んでいない、シャツはともかくパンツを墨巣さんに洗って貰うわけにはいかないし残念ながら今着ているものが最後だ、洗濯しない事には着替えも儘ならない。
少しと言うかジャケットである程度の暖を取りながらテントの中で1時間と少し休んで多少は回復したな、やる気が全く湧いてこないが動くとしようか、墨巣さんももう起きているっぽいから漁に行っている間にいろいろと済ますとしよう、流石に顔を会わせてとなると風邪を移すかもだし、まぁ昨日多少は顔を会わせているが少ない方が良いだろう。
「えっと、寝袋が干されていてビックリしたのだけれども……起きてるの?」
「あぁ、多少はマシになったが今日ともしかしたら明日も休みだな、移すとなんだから取り込みとか洗濯とかは漁に出ている間に済ませるよ」
「そう、無理しないでね、昨日は夕方になっても寝てたみたいだし、とりあえず薪の目処だけ付けておいたから回復したら斬り倒しましょう」
かなりアクティブだな、いやまぁアウトドアな人ってのは知っていたがここまで動いてくれるとは、まぁ扱き使うって事かもだが流石にそれは無いと断言できるくらいには信頼を築いている、回復待ちは申し訳ないし情けない限りだがコレばかりはどうしようもない、と言うか折り込み済みだ。
この栄養状態と生活では何時かは風邪だって引くしもっと酷い事になる可能性だって有った、この程度で済んだのは御の字と言える。




