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 二本を斬り倒してチップと薪を確保する、まぁ乾燥もあるからすぐには使えないが一先ずはコレで良いだろう、とは言えまだまだ量としては心許ない、もう少し探して明日にでも切り倒すとしよう。

 残念ながら今日はもう時間一杯、後の事を考えるなら探すのが精一杯で切り倒すとなると漁に間に合わなくなるだろう、夕食を抜いてまで優先するような事でもないし明日に回すのが無難だな。

ほんの少し歩き回ったが残念ながら見付からないか、だがまぁ明日の布石にはなる、少なくとも今日探した範囲を探す必要はないし干場周りだと一定の太さを持つ奴しか無いってのが確認できた、枝を払って薪を作るのにも限界は有るし多少の遠出は覚悟した方が良いだろう。


 装備を入れ換えて漁に向かう、その途中も木々を見てしまうのはもはや悪癖とも言うべきワーカーホリック度合いだな、ニートなのかワーカーなのかどっちなんだと聞きたくなるが本質ワーカーで外見ニートって感じだろうか、逆かもだがまぁ良い、どちらにしてもやる事が変わる事はないからな、本質だろうが外見だろうが或いはそれが作り物の紛い物でもだ。

 動かなきゃ死ぬ、それがこの生活のたった一つの真実で真理だ、まぁ下手に動いても死ぬんだがその辺りの見極め方は体得している、その上で効率よく、しかし余裕を持って、セカセカとノンビリと緩急織り混ぜて生活できれば上々かね。


 タコとハゼに久々のウツボか、墨巣さんの付いた大きなカサゴとで大漁も大漁だな、とりあえず美味しく頂くのは確定として何を作ろうかね。

 タコの煮付けにカサゴの潮汁、ハゼを焼いてウツボを蒲焼に、ご飯も炊いて満腹満足だ、さぁ今日はお楽しみの日で幸いにして薄曇と雲はチラホラあるが星は見れそうだ、存分に楽しむとしよう。


 相変わらず壮大で雄大な星空は夏より清んでいる気がするな、そして少しばかり星の位置が違うと思う、いや間違いなく異なるんだがどれだけ記憶に焼き付けていても細部まで覚えていないし何より名前も星座も知らないから対比で知ることすらできない、と言うか夜空のキャンパスだと対比もクソもない、ただただ星が散りばめられているというだけだ。

 だけだと言うのにここまで心を掴んで離さないのは綺麗だからかそれともロマンか、おそらく語彙の限りを尽くして称賛しても嘘っぽく聞こえる程の雄大さ、それこそ『やべぇ』の一言という若者らしさやアホっぽさ溢れる言葉の方が正しいと思えるような光景だ。


 何度見ても飽きる事はなく、このまま夜を明かしたいくらいに後ろ髪を引かれる思いでテントに戻る、次は来月か、その楽しみを胸に明日からの約28日を過ごすとしようか。

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