開花
4戦3敗かやはり負け越したな、とは言え長期戦ばかりで食い下がりはした、まぁ悪足掻きも悪足掻きでハンデももう必要無いらしい、と言っても段階を一つ上げるだけでようやくクイーンとビショップが使えるようになるか、それだけで一気に楽になる、しばらくは負け越す事も無いだろう。
とは言え思った以上に上達が早い、ハンデ有りとはいえ初めてから1ヶ月程度のルーキーに負ける程弱くは無いつもりだったが違ったのかね、あるいは才能が開花したか、どちらにしても今年中にハンデ無しの戦いを楽しめたなら物凄い事だぞ、少なくともチェスサークルの後輩達や先輩達では相手にならない奴も出てくるレベルだ、流石に現時点だと並べすらしないが時間を掛ければ最下位の奴に並んで勝てるかもだな。
手早くスモーカーを外して熱を抜きつつお昼ご飯を用意していく、地道に焼き干しを消化しつつ作りになるがまぁデフォルトの光景ではある、何度目になるのか考えたくないしコレから先も何度も見る光景だからな、まぁ焼き干しオンリーよりはマシだろう、少なくとも雨の音を聞きながらテントの中で炙ってもいない焼き干しをかじるよりは相当に良い。
お昼休憩を終えて燻製を取り外して分けていく、明日も作らないと量としては心許ないからしばらくは続くがチップが微妙だな、毎日作って干しているとは言え木の皮だしな、量はそれほど取れない、それでも数回分くらいは確保できているが薪の補充も兼ねてそろそろ手を打っておくかね。
とりあえず細めの樫と思われる木を拠点回りで探すところからだな、まぁ探すまでもなく周りは樫と椎ばかりだ、細い若木もそれなりに在る。
まぁ警戒網との兼ね合いもあるし位置関係を考えると選択は中々に難しい、遠いと遠いで運ぶの面倒だからな、距離も考えつつ探すとしよう。
森を歩いて適度なサイズの物を見付けては辺りを確認して斬り倒すか考える、残念ながら外れの方が多いがとりあえず二本は見付かった、早々に斬り倒して切り分けるとしよう。
手斧で斬り倒して鉈で枝を払う、そこから鋸で適度に切り分けて皮を剥ぐ、後は運ぶだけだが2日くらい放置して少しだけ乾燥させてからの方が良いだろう、切り口や剥いだ部分が水で濡れているような状態だと流石に重い、2日程度でも1キロくらいは軽くなるだろうし生木よりは薪への加工も楽なはずだ。
手早く粗加工を終えて枝だけは薪干場に運んでおく、幹と違って枝は乾燥しても差異は少ないからな、無意味ではないが時間の無駄だ、ロープで纏めてサクサク運んでしまえば後々の作業時間になってくれるだろう。
まぁ余裕を生み出すまでもなく時間に余裕は在りまくりなんだが、と言うか壮大な引きニートの状態なのに働きまくっているよな、ただより正確に定義するなら壮大なアウトドア系アクティブ引きニートと言う謎の状態なんだが。




