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デットヒート

 さて、そろそろ大丈夫だろうと判断してスモーカーを外して熱が抜けるのを待つ、お昼ご飯を食べる頃には大丈夫だろうし掃除と後は大量の竹を運んでおこう。

 まぁこれでも必要量にはやや足りないと思うが、しかし墨巣さんがこれらを貼る間に加工するからもしかしたらキレイにハマるかもだな。


 適当に作業を続けて時間は頃合いだろう、とりあえず焚き火を用意しつつ魚を捌いていく、一通りの準備が済んだところでスモーカーの中から燻製になった魚を取り出す。

 なんと言うか飴色に近いと言うか、燻製独特の色合いだな、後は味と風味だがそれは食べてみてのお楽しみだ。


 軽く炙った物を四つ、ハゼとゴンスイ、塩を振った物とそうでない物で試してみる、薫りはまぁ良い、少なくとも食べてみて吐き出すような感じではない、むしろ好ましい部類に入る。

 味だが物足りないな、なんと言うか中まで塩気が入っていないと言うか、塩を振った物でさえ微妙な物足りなさを感じるが流石に漬け込んで塩抜きしてとなると面倒だな、海水に浸してからスモークするにしても真水で軽く塩抜きは必要だしそこまでの時間は取れそうにない、と言うか生きている時に嫌ってくらいに海水に浸かっているのにこれはなんなんだと問いたくなってくる。


 それでもまぁ、薫りとか含めた評価としては及第点だろう、魚のサイズ的にも塩を作る手間や海水に漬け込む手間を考えてもこれ以上を望むとしたら色々な事が終わって何もする事がなくなってきた頃だな。

 暇という免罪符を手に無駄に(こだわ)りを見せて作った物を改善したりする一つとしてなら有りだが今はそこまで重要ではない、基本的に保存食は焼き干しで事足りているというのもあるが何をどうしたって数日に一度は入れ換えのために消費して作り直さないとだ、手間を掛けていられない、基本的に休暇ついでにちょっと燻製をってのが限界だろう。

だがまぁ、コレはまた一つの気分転換としては物凄く効果がある、塩焼きか煮付けかくらいしか選択肢がなく、代り映えしない食卓が豊かになるんだ、マイナスにはなりえない。


 まぁ続きは明日だがとりあえず夕食の時に残った分を処理してしまうとしよう。

 さて、後は残る時間を干場作りに使って夜までを過ごすとしようかね。


 作った壁材を墨巣さんが貼り付ける間にひたすら次の分を加工し続ける、と言ってももうそろそろ必要量には達するから後は普通に割るだけで良いから楽なのだが、問題は墨巣さんが加工した分を使い終わるのが早いかそれとも俺の加工速度の方が早いか、或いは竹が足りなくなるのが早いか、しかしこれほどワクワクしないレースも珍しいな。

 デットヒートではあると思うがとにかく地味だ、片や竹を組んで固定する美女、片や竹を加工する青年、片や残りが微妙な竹、仮にテレビとかで放送されたとして誰が見たいんだと問いたくなるな、少なくとも俺は見ないし仮に見たとしても意味不明過ぎてとにかく状況が知りたくてだな。

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