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冷気

 手早く片付けを済ませてテントに入り寝袋に潜り込む、後は蓑虫の如く包まれながら眠るだけだ。



 まるで氷に顔を押し付けたような寒さで目が覚めた、かなり寒い、真っ暗だが吐く息は真っ白だろうなってくらいに寒くて寝袋の中で体を抱き締めてしまう。

 朝の底冷えという奴かね、あるいは真夜中に放射冷却でも起こって一気に気温が下がったのか、流石に寒気が此処に届くには時期的に早いと思うが冬って事なんだろうな、まだ大丈夫だと完全に油断していた。

まぁ流石に日が登れば多少は温かくなるだろうし寒さが続くとも思わないが少々と言わずに寒い、この寝袋は登山用とは言え夏山向けの物だからな、平地だと秋から冬に向けても使えるとはいえ急激な冷え込みにまで対応しきれない、寒さで一睡もできないレベルとなると氷点下になるが寒さを感じるレベルは一桁℃だ、どうやら今朝はそんな朝らしい。


 感覚的に何時もの起床時間より早い時間帯かなり寒さを感じるが気合いを入れて寝袋から出て素早く焚き火を準備する。

 流石にこの寒さだと墨巣さんも起きてくるかもだしお湯を沸かしておいて活を入れないと漁すら無理だろうという判断の元、手早く素早く昼飯のために用意していた薪で炎を作りその熱さで体を温める。

もしかしたら物音で起きるかもだが火を焚けばテントも多少は暖まるし寒さで凍えてという心配はない、とりあえず少しでも安らかな眠りが彼女に寄り添っていて欲しいと思ったのだがゴソゴソとテントから出てきたから期待するだけ無駄だったな。


 湯気の立つお湯を竹に注いで渡す、持っているだけで暖かいし飲めば体の中からだ、まぁ俺の場合飲む前にうがいはしたいだろうが水でというのは厳しいから沸く前に取り置いたぬるま湯で済ましたが、念のため墨巣さんには水で割ったお湯という名前の解らない液体を差し出しておいた。

 軽くうがいをしてからお湯を手の中で弄びながらズルズル飲んでいた。


 しかし今日は寒いな、此処だけかね、それとも列島も寒いのかね、だとしたら急激な冷え込みに辟易とする奴等が大勢居そうでニヤけてしまう、基本的に彼らがこの寒さに口を閉じるのは3時間は先の事だからな、例外的に俺の祖父を含めたお年寄りは起きていそうだが大丈夫かね、暖房とか使う前にある程度メンテナンス必要だったりするし。

 まぁあの狸の事だから風邪とか引きそうにないが歳も歳だからな、まだ元気とは言え下手をすれば無人島でサバイバルやってる間に祖母の所に逝くかもしれないくらいだ。

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