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ホラー

 何時ものように朝の漁を済まして朝御飯を食べながら焼き干しを量産していく、後は古い物の中から適当な量をお弁当にして竹の葉で包んで持っていけばいい。

 森の中をのんびりより早足で、常歩よりはゆっくりと進んで温泉に到着する、何時ものように俺が先に楽しむために途中で墨巣さんと別れたがさて行水よりは時間を掛けるにしてもゆっくりとはしていられない、さっさとサッパリするとしようか。


 しっかりと垢を落として汚れも皮脂も流れ去り、体も暖まったところで早々に川から上がる、普段なら一度火照りを取ってからもう一度楽しむのだが今日は止めておこう、時間的な余裕が無い訳ではないが後々を考えると数分単位だが余裕が欲しい。

 手早く体を拭いて服を着る、流石にこの気温でポロシャツってのは湯冷めが怖いからセーターを持ってきているが正解だったな、インナーを着た段階で風が冷たくて温泉に逆戻りしたくなる、ポロシャツぐらいだと間違いなく湯冷めして風邪コースだな。


 森を抜けて墨巣さんが交代して漂着物と相対する、相変わらずのゴミゴミ具合は呆れる程だが何度も助けられているし声高にゴミを海に流すなとは言えないな、ポリバケツみたいな物でもかなり使えるしロープやなんかは言わずもがなだ、このご時世で居るとは思わないが俺達のように、いや、俺達より酷い状態で無人島に漂着したサバイバーにとっては宝の山だからな。

 過去に目を向けたなら奇跡的に生き残るための何かを手に入れて助かった人も居ただろう、それこそ世界的に有名な小説も実話を元にしているというパターンもあり、俺が知るだけで二冊も有るんだ、小説より奇なる事実なら本になった二つのサバイバルより酷い物も有れば軽い物も有っただろう。

助かる助からないは別にしても漂着物に救われたサバイバーも多い筈だ、だからといってゴミのポイ捨てはどうかと思うが現状だとなんとも言えないな。


 とりあえず墨巣さんが頑張ったらしい小山を放置して残った山に取り掛かる、残念ながら表層に有って合流する頃にはフライパンがなんて都合の良い事にはならなかったが何時かはそうなるし、あるいは墨巣さんが戻る頃には手に入っているかもしれない。

 ひたすらゴミを取り除いて奥へ奥へと進んでいく、何かが入った瓶詰めとか布製の人形、マネキンの頭部や腕、なんと言うか今回はホラーじみた光景だな。

どす黒いボロボロのシャツとか錆びた釘とか目玉の取れた人形の頭部とか、お化け屋敷に置いてありそうな物が大量にだ、幼稚園児くらいなら昼間でも側を通ろうとしないくらい魑魅魍魎感が溢れている。

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