言いっこなし
さて、漁まではまだ少しばかり時間は有るし魚を干すために必要になるだろう竹を揃えておこうか。
ついでに拠点に竹を運び込む必要もあるし墨巣さんと共に担いで坂登りだ。
とりあえず転がっている竹の中から適当な太さの物を選んでおく、後は補充分として切り出しておくかね。
数本を斬り倒して枝を払い転がしておく、枝は枝で焼魚調理に使えそうな物を集めておく、毎日だから消費は激しいし竹を切って加工して量産しても焼け石に水だ、節一つで数日分にはなるからちょっとした合間に量産していたりするが面倒だからな、枝ならそのまま使えるしな。
竹を旧拠点に転がしてさらに拠点に運び込む、旧拠点の方はもう一往復は必要になるがまぁそのくらいの時間は余裕であるからな、多少疲れるってだけだ。
追加の竹も運び込んでとりあえずこれで良しとしておこう、後の作業はまた今度だ、間違いなく来月辺りまで持ち越す事になるが今までのノウハウも有るし今年度中には終わるだろうな。
幸いにして穴堀りも小屋作りも嫌という程に経験している、全くの素人だった頃より手早く作業可能だろう。
若干の休息を挟んで漁に向かう、今日は米も炊くとして何が取れるかね。
無駄の無い動きで竹筒を引き揚げて中身をチェックしていく、空だったり何故か貝がらが入っていたり食べられるか解らない蟹とか海老とか入っていたりするがその辺りは海に投げ戻す、まぁ蟹に関しては挟まれたくないから放置だが。
タコにガシラか、ついでに墨巣さんが突いたカワハギ、まぁ十分だな。ボロボロになってきているロープを交換して海に沈めていく、魚籠の中には残しておいた海老を手で潰して入れておく、何時もは魚のアラとかだが変えてみるのも有りだろう、蟹とか潰して入れても良いだろうしもしかしたら取れる物が変わるかもしれない。
カワハギの塩焼きにタコの煮付けとガシラを焼いてご飯と共に戴くとしよう。
腹も満たされたところでテキパキと後片付けを済まして歯を研き、明日の準備やら軽くマッサージやらを済まして後は寝るだけだ、明日は鍋を拾いにと、ついでに温泉だな、空振りなら余った時間と体力の許す限りで建築作業って感じだが帰路に掛かる時間を考えると拾えるにしても空振りにしても作業時間は少ないだろう。
本日もまた晴天に恵まれて絶好の作業日和だな、作業に託つけて温泉も楽しめるしこの天気が続いて欲しい物だ、粘土乾かしてるからってのも一部を占めているのがなんとも言えない微妙なところではあるがそれは言いっこなしってやつだ。誰にでもなく自分に言いつつ、そして考えた時点でアウトだなと相変わらずのカオス思考の難点に辟易としつつルーティーンを進めていった。




