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菱形

「何度聞いても凄まじいわね」

 磯に向かいつつ先輩の生き方と生き様を説明してみれば呆れを通り越して畏敬か、憧れはしないし尊敬には値しないが凄くはある、それがソノ先輩クオリティだがまさか直接会う事すらなく、たったの二回電話を介しただけでそこに行き着くとは墨巣さんが凄いのか先輩が凄いのか判断に迷うな。


 漁果はハゼとタコに穴子に黒鯛か、とりあえず穴子丼にでもしてみるかね。

 米を炊いて煮穴子を作り鯛の半身で潮汁、残る半身はタコと共に刺身に、ハゼは焼いて夕飯の完成だ。

何度食べても思うがやはり土鍋ご飯は一味違うな、その分だけ炊くのが難しいがもう慣れたし失敗しない、完璧な炊き上がりなら炊飯器より美味しいのは気分だけではないはずで戻ってからも、いや仕事から帰ってきて米を洗って炊いてってキツいな、火加減はスイッチ一つとは言え基本的に付きっきりだし手間が掛かりすぎる、そう考えれば朝に炊いて保温してくれる炊飯器は便利、いや待て、例えばだが朝に土鍋で米を炊いて炊飯器にぶちこめば保温されるから、いやいや待て待て、朝の忙しい時間にそんな時間を捻出できる筈がない、休みの日とかの楽しみってのが限界だろう。



 疲れはマシだが残ってはいるという微妙な線だな、完全回復はしないと解ってはいたがそれなりに溜まっていたらしく温泉効果の熟睡でも取りきれなかったようだ。

 まぁ幸いにして拠点での作業だし基本的に座り仕事だ、疲れが残っていても問題はない。

ただ作業の大半は力仕事なんだよな、一部の作業を墨巣さんに任せるにしても一斗缶の穴空けは俺の仕事だ、それも四ヶ所かなり面倒だな。


 カワハギとハゼにタコか十分だな、とりあえず何時もの如く昼飯の懸念は無くなったし早速作業に移るとしよう。

 とりあえず墨巣さんに竹を切り分けて貰う間に串と釘で穴を空ける位置にマーキングをしていく、多少のズレは問題無いとは言えキッチリやらないと後が面倒だしな。

十字に支えるから高さを微妙に変えつつマーキングを済まして早速穴空けだ、既に死に体のワイヤーソーでどこまで行けるか解らないが半分は越えたい所だ。


 手早く穴を空けてワイヤーソーを通しゴリゴリ削りながら円を作る、途中で分割作業が終わった墨巣さんに新たな指示を出して作業を続ける、やはり錆とか凄いな、と言うか腕を突っ込んで大丈夫なのか心配になってきた。

 円形は無理と判断して菱形に切り取られた穴に竹を差し込んでみる、これで入らなければ竹を割るか穴を拡げるか細い奴を拾いにいくか、強度を考えれば拾いにいくのが無難だろうな。

問題なく入ったため貫通を目指して反対側に取り掛かる前に腕が限界を訴え墨巣さんと交代する、さてほぼほぼ作業は済んでいるから調整だな。

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