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肌寒く

 墨巣さんと合流してお弁当を食べてお腹を満たし、のんびりと拠点に戻る、俺も墨巣さんも湯上がりと言うには熱も抜けたが疲れはかなり取れている、このまま明日まで休めば多少は回復するだろう。

 拠点に戻ってゆっくりと体を休める、しかし移動での疲れも有って回復したのかしてないのか解らないな、まぁ明日になれば段違いに変わるかね。

涼しいから肌寒くなってきた昼間の空気にもう秋だなと今更ながらに再確認する、もう真夏の暑さはないが代わりに冬の寒さはどんどん近付いていく、それでもしばらくは秋で冬はまだ遠い、そんな風に思いたいがもう11月も近いからな、急激に寒くなる可能性もある、流石に雪が降るほどに寒くはならないと信じたいが寒波がどのタイミングで来るのか今の生活だと解らない。


 墨巣さんも疲れているのかチェスに誘われる事もなく、仕方がないから前に作った竹板チェスで仮想望とやり合う。

 ナイトで中盤を抑えつつビショップで右翼を牽制、もう一つのナイトとルークが最前線の裏に回って挟撃、後は切り崩して終わりって感じだが押されているのが俺ってのが問題だな、ただまぁ一つ言えるのは攻めすぎだな、確かに押されつつは有るしこのままだと負けだが既に細工は終わっている、後は中盤を抑えるナイトをクイーンを捨てて取れば俺の勝ちだ。


 クイーンをルークに取られてポーンを前進、プロモーションでクイーンに変わったところでチェックを掛けてビショップで取られる、できた隙間にナイトを捩じ込めば詰みだ、仮にキングが逃げるか他の駒でピンされたところで結果は変わらない、ほんの数手死期を伸ばすだけだ、今回は誘いが上手くいったな。

 上手くルークを誘えなければ詰んでいた、中盤から最前線に布石を打って正解だったな、ただ一歩間違えればナイトに食い散らかされてキングの首を差し出すリスキーな手だった、もう少し手堅いチェスが打てるようになりたいがこれ以上守りを固めてもな、こういうギャンブルと言うかリスキーな手も有りかもしれない、誘いになるし相手が焦ればミスにも繋がる、その分だけ難しくはなるが新たなスタイルとして考えてみるかね。


 そのまま仮想先輩との対戦で大胆な誘いとリスキーな手を使ってぼろ負けした、まぁ仮想とは言えあの人相手にこの戦術は噛み合わないよな、俺以上に乱戦混戦大好き人間だし、残念ながら誘いがどうとかリスクがどうとかいう戦い方では勝てない、誘いも何もとにかく互いに殴り合って牽制と暴虐の戦乱が大好きな人だからな、それこそ守りを固めるか極端に攻めるかしないと勝ちは拾えない、だから頭は良いのにそれほど強くないという意味が解らない事になるのだろう。

 あの人が本気で、本当に真正面からチェスで潰すなら俺も望も相手にすらならないだろう、それこそプロの領域に足を突っ込んだ人間でないと対処不能だと確信できる程度には頭は良いし回転も早い、本人曰く『天才には届かないが秀才ではある』だったか、断言できる凄さは認めるがそれ以上に変態なんだよな、美人で秀才、プロポーションもグラビアアイドル並み、それらを全て台無しにする変態度合いそれが俺の知る園部凌だ。

等と墨巣さんに説明してみるかね、おそらく呆れか恐れが出るだろう、まぁ呆れが勝つか、何も知らないなら俺でも呆れるだろうし知っていて聞かされても呆れただろう、どっちにしても呆れられるって凄いな、しかも本人じゃなくて説明する人間がだ、先輩の特異性がまた一つ増えたな。

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