モチベーション維持
朝の目覚めと共にストレッチをして川まで歩いてから顔を洗う、冷たい水で寝ぼけた頭も飛び起きて、同時にお腹が抗議の声を高らかに歌う。
ふむ、無意識の言葉遊びだが中々に上出来かもしれない、まぁ現実的に言えばグーグー言ってるだけだし詩的に言い換えたところで満腹にはならないのだが。
さて本日も楽しい1日を目指すとしよう、いや楽しむと言うのは語弊が有るな、より良い1日が的確だろう、この生活の標語は『転ばぬ先の杖を持ち石橋を叩いて渡れ』だが、気持ち的には『より良い今日と明日へ』だな、決まったところで、足しにも慰めにもならないが気分は違う。
さて取るに足らない事を考えながら漁を済まし、ルートの構築のために森に入り、木の枝を払い下草を踏み固める、昨日よりは少しばかりお手軽と言うか、入念な開拓ではないためガンガン前に進める、それでも大変な作業に変わりはなく、もはや自然との戦争だな。
ある程度のところで戦果として木の枝を抱えて道を戻る、時間も短かったしそこまで進まないが、それでも今日中には終わる筈だ。
昼食を済まし、荷物を背負う、リュックの中には電話にサバイバルキットと衣料キットに水筒にロープ、リュックのベルトにコンパス、ベルトに取り付けたホルスターで左腰に斧、右腰の鋸、左手には杖代わりの竹銛、町中を歩けば職質からの逮捕だろうな。
さてお仕事の時間だ、森の中を切り裂き道を通してしまうとしよう。
残る工程は半分強、枝を払うだけなら今日のうちに余裕で片付けられる筈だ、とりあえずは人間が通れるだけのスペースが確保できれば良い。
竹を運び込むなら話は別だが今はまだ先の話となる、本拠地を決めてからだ、少なくとも数日は先だな、本拠地を決めて引っ越しを済まし、拠点をある程度使えるようにしてからだな、とりあえず今は道作りだ。
拠点との往復数回、夕方前になんとか海までのルートを確保してホッと一息着く前に磯に向かって狩りをしないといけない、残念ながら落ち着ける時間なんて寝る前と食事中くらいだ、後は食休みもあるが何かしらの作業はしているから除外だな。
水を掻き出して魚を選別し、食べられる量を抱えて拠点に戻り調理する、今までと規模や場所が違うだけでやる事は変わらない、大した手間でもないし疲れはするが徒労にはならないのだから心持ちは良い。
何より満腹と言うのはモチベーションを保つのに一端どころか大半を担う一翼だ、明日には本格的に拠点探しと水源のチェックが待っている、空腹ならまだしも満腹になるのだ、文句はない。




