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半世紀

 ひたすら木々と格闘してバトンタッチで今度は下草と格闘、植物に恨まれそうなくらいに切って刈ってを続けているが幸いにして植木屋が植物に恨まれたなんて話は、いや神木とか切って呪われたなんて話は聞いたような覚えがあるな、それこそ何度切ろうとしも計画段階で発案者に不幸がなんて話はオカルトの世界だと枚挙に暇はなく引く手数多だ、まぁ道端の雑草だし大丈夫だろう、木にしても枝を払っているだけだし。


 そんな中で視界の端で違和感を感じる、なんと言うか二度見したくなると言うかなんて事の無い文字列を入れ換えると特定の言葉になるのを発見した瞬間と言うか。

 なんだろうか、とりあえず違和感を感じた方向を注視して間違い探しだ。

木の瘤が顔にとか、無駄にエロい形とか、或いは珍しい植物やあり得ない何か、そんな物を森の中から見つけ出す必要がある。


 1分程度森を見詰めてそろそろ諦めるかと視線を外そうとした瞬間に見付けた、すぐさま手元に戻りつつ有った視線を戻せばまるでそこだけ浮き上がるように違和感が存在している、一度認識するともうソレしか目に入ってこないな。

 ソレは木に埋もれた何か、街路樹が長い時間の中でガードレールを飲み込むように成長過程で少しずつ異物を内包していく途中の場面、数年か数十年か遅かったら見付けるのは困難だったろうソレは遠目だが看板に見える。


 とりあえず墨巣さんに声を掛けて近付いてみれば間違いなく看板だな、植物園とかにあるコレがなんの植物かを示すような地面に刺さった木の看板っぽい物が半分近く木の中に埋没していた。

 とりあえず読めるのは『記念』『植』『2248』『2〇/』か真ん中の部分が埋まっていて両端の一部だけが見えているが察するに何かの記念で植樹した、それは2248年の事だったってところかね、分数の部分は薄れていて判別できないがこの木が植樹した何本かの内の20本から29本の何れかって所かね、年代から見るにおそらく曾祖父が購入した頃より少し前だな、親父が生まれた前後に曾祖父は亡くなったと聞いているから50年前だと祖父と祖母が結婚した頃とかか、その頃だとまだ日本政府の持ち物だが何を思って、何を記念して植樹したのか理解に苦しむ、誰も住んでないし開発すらされていない、手付かずの自然に何かを持ち込むとか愚の骨張だろう。しかし得心もいった、コレだけ豊かな森の要因の一つがこの植樹にあると考えられる

、持ち込まれた時がどの程度のサイズだったかは不明だが苗とかじゃなくて若木なら50年でそこそこ成長するしそこを中心に多少は増える、後は鳥や狸が種を運び回れば豊かな森の完成だ、それが数ヵ所で、少なくとも20近く植えられたなら要因にはなりえるだろう。

まぁ流石にソレだけが理由ではないだろうし幾らなんでも深野だ、何しろ俺の予想で樹齢100年くらいの大木とかも希に有るからな、仮に南の島で土や水が馬鹿みたいに高栄養でグングン育つ環境としても誤差としては20年も出ないだろう、専門家ではないから大まかな予想にしかならないがそれでも御神木とか裏山の大木とか見て育ったんだ誤差は20年くらいに留まる筈、仮に下方修正でも80才、成長ブーストプラス若木でも71~2、微妙に範囲は近いから断言はできないが他の要因は有ると見て良い。

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