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残酷な思い出

 さて、朝から蛸とオコゼか、中々に幸先が良いな、作業の再開を祝うようでもあるが残念ながら今日で終わる事はない、ただ昼飯が楽しみになるってだけだ。

 昨日の確認で使える事が解ったし無駄では無かったと思えるからやる気も湧いてくるが杭を打ち込んだ瞬間に凪いでいく、久々だと痺れるね。


 ガンガン掘り進めて疲れれば墨巣さんにバトンタッチ、少し休んだらまた作業に埋没してを繰り返していく。

 この島に来てから俺が掘り返した土の量って俺が来る前に掘り返した土の量と同じくらいになるんじゃないかってくらいに土に触れているが砂場の穴堀りとか、蟻の巣破壊とかソノ先輩砂浜埋めとかでけっこう掘ってるし流石にイコールにはならないか。

と言うか今思い出すと残酷な、そしてグロい光景だよな蟻の巣破壊、巣穴を見付けて小さいスコップとかでひたすら掘るだけだが出てくる蟻の量は尋常ではなく、地面を数千数万の蟻がウヨウヨと蠢いていた、ものすごく嫌な光景を思い出したな今夜にでも夢に出てきそうだ。


 穴を掘って埋めて踏み固めてまた一段、それが済んだら次の一段、倒しても倒しても新たな敵が現れるような地獄の千本ノックだが幸いにして終わりは見えている、それでも先が長いと思ってしまうのは終わりまできっちりと粘土ゾーンが続いてるからだろうな。

 もしも途切れてくれていたならどれほど救われて気が楽だったかと思えるが手厳しくもこの固い地面との戦争は続いている。


 お昼休憩を挟んで再び作業を続けて夕方まで掛けてまた一段、かなり深くまで粘土だととにかく時間が掛かってしまう、もっと楽にってのは何度目になるのかも解らなくなったが残酷な事に現状が最も楽で時間の掛からない方法を取っている。

 それでもコレという現実は何度も味わっているが何度味わってもなぁ、嬉しくないし早く終われって感情しか湧いてこない、まぁ完成まで終われないからどれだけ望んだところで頑張る以外の方法がない。

休暇明けの作業だというのに早速と言っていくらいにゲンナリモードだな。


 墨巣さんがスズキ、俺がオコゼとウツボ、今日は大型祭りだな調理が少し大変になるが効率よく動けばなんとかなるだろう。

 ウツボを煮付けにオコゼを焼いてスズキは半身を刺身に残りを石焼きで、美味しく頂いてお腹を満たしてしまう。


 片付けを済ましたところで明日の準備も済ます、最近は寝苦しさは無くなりむしろ涼しいくらいだし風邪に気を付けないとだな、もう夏も完全に終わりで秋になったというところか、実りと食欲の秋か、そう言えばタケノコとかやろうやろうと思ってできていないしな、明日辺り早速動いてみるか。

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