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階段チェック

 さて、泥濘(ぬかるみ)だな、稲を植える時の田んぼのようなドロドロではないが一歩踏み出せばヌチャッと音を立てそうな、間違いなく立てるだろう泥、下手に踏み出せばヌルヌルと滑るくらいのドロドロ加減は泥パックとかできそうだな。

 慎重に一歩ずつ確かめながら進み階段部分まで下る、後は大胆に歩いてみるが全く問題なくではないが恐る恐るではないからサクサク歩けるな。

まぁ土留めの効果が出ているのだろうが流石にこの状況で土留め付近を踏むのは止めた方が良いだろうな、そこそこ深くまで杭を打ち込んでいるとはいえこの泥濘だ、すっぽ抜ける事は無くともズレる可能性は捨てきれない。


 下まで到着してすぐさま登る、やはり歩きやすいな、少なくとも坂のままだった頃に比べてかなり楽だ、あの頃だと雨の翌日なら手近な木々に捕まりながらだったからな、今はそんな物がなくても問題なくだ、それを考えるとこの開拓は正解だったと言える、まだ完成していないから感慨深いとまではいかないがそれなりに達成感はあるな。

 さて、問題はこの階段が途切れた所から頂上までの数メートル足らずだが少し前のように木々に捕まりながらなんとか体を支えて登るとしよう。


 拠点に戻る前に川で手を洗って汚れを落とす、本当なら靴も洗ってしまいたいが予備の靴はテントの奥底で引っ張り出すのは面倒だしな、薄汚れたままで使うしかない。

 靴底くらいなら慎重に川に沈めれば綺麗になるだろうがミスれば気持ち悪いだけだし汚れていても歩く事に支障は全くないからな、ここだと汚れた靴を見とがめられる事もないしな。

さて、あまり時間を浪費するのもどうかと思うし最短ルートで移動するとしよう。


 竹林を抜けて森を突き進む、再開拓のおかげで歩きやすいな、こうして歩いてみれば無駄ではなかったと思えるから不思議だ、使う事は少ないと思っていたがこんなに早く使う事になるとはな。

 しかし頻度としてはソレほど多くならないと信じたい、多くなるって事はスモーカーの材料が見付からないのと同義だし暇つぶしになるとは言えナシのつぶてを何度も味わうのはゴメンだ。

とは言え見付からないと何度でも繰り返す必要が出てきてしまう、それこそ最悪の最悪となるとシェルターを拠点に張り込みの目だって有る、それに材料に良さそうな物が有ったとしても足りるかどうかは別問題だしな、残念ながら長期化は覚悟した方が良いだろう。


 森を進んで進んでシェルターに到着だ、ここは相変わらずだな、と言うか今になって思えばこの水辺とあの漁場でよく生活できていたと思えるくらいに貧弱に見える。

 今が満たされているからなのだろうが贅沢を覚えると駄目だな、今となっては雨の日に魚を満腹になるまで楽しめないのが辛いと思ってしまう、常に空腹と戦って良くて八分目が基本だった頃だって有ったというのにだ、一度原点と言うか原初、初心に立ち返った方が良いのかもしれないな。

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