新たな拠点
昼食として蛸を炒めた物を食し、テントを片付ける、ロープを解いて杭を抜き骨組みを抜いて布を折る、十分ほどで小さなバックに収まり、リュックにセットし寝袋共々の野営地設営用の荷物を纏め、残る荷物を段ボールに詰め込んでシェルターの傍にその他の広い集めた物と共に隠す。
さぁ、新しい何かを探しに出発だ。
森を抜けて竹林も抜けて、また森を抜けて丘を昇って川に到着した。
川幅はだいたい3メートル、川の終わりは海に流れ落ちる滝というかなりの大河で水の勢いも始めて来た時と変わらないように思う。
水源が何かは解らないしどのくらい上流になるのかは解らないが少なくとも山に入る前までは行くつもりでいる。
さて、とりあえず探索の拠点作りだな、暫くはこちらでの生活になるだろうし。
川から少し離れた森の中で良さそうな場所を探す、具体的には多少は開けているか太い木が密集していない場所だ、テントを張ったり焚き火をするには最低でも直径5メートルは欲しい。
中心に焚き火を据えるつもりで丁寧に下草を刈り、可能な限り延びる枝葉を払った拠点でなければ火事の危険性がある、野営地探しは慎重になった方が良い。
それなら川沿いや海に野営地を作れば良いとも思うが、海辺は風があるし杭を打っても砂地じゃそこまでの効果は見込めない、川沿いは急な増水の怖さがあるため適さないらしい、水辺が近くにある方が良いのは確かだがあくまでも近くで傍ではない。
一時間近くうろちょろしつつ森に分け入り、ようやく拠点になりそうなポイントを見付けてさっそく作業に入る。
まずは細い木を斬り倒し枝を払い視界を確保しつつ薪を作り、下草を刈り、落ち葉を掃除して地面に顔を出させる、続いて範囲を広げるために太い木の枝を切り落としたりしながら十分な広さを作った。
後は作り出した広場の端にテントを張り、対面に薪を積み上げ、中央に拾った石を並べて焚き火の準備を済ます、一先ずはこれで良い、あくまでも仮拠点だし将来の中継点でしかないのだから気合いを入れての整備は必要ない。
さぁ、そろそろ狩りの時間だ、だが走ってもいつもの磯では間に合わないだろうし、この間見付けおいた磯での初狩りといこう、貝くらいは捕れるとありがたいな。
森の木々を避けながら帰還用にロープを張り、木に傷を着けてマーキングをしていく、最短ルートは明日以降に調べれば良いし、今はとりあえず森を抜けるためのルートを突き進む。
丘を下り竹林へ続く森の道を越えて海沿いを少し進むと岩場が増えてきて磯へと変わる。
さてこの磯では何がどれだけ捕れるだろうか、種類にしても量にしてもかなり切実に重要な問題だ、何せ今日の夕食と今後の生活に直結する。




