懐古
少しばかり捕れる量が戻ってきてリバウンドが抜ける気配が顔を覗かせている、明日、いや明後日には元通りだと思うが少し長かったような気もする。
塞翁が馬を信じるならそれだけ今までが幸運だったか、あるいはこれからそうなるのか、残念ながら未来はどう頑張っても解らないし過去についても複雑に条件が絡み合い完全には理解できない、数値化できない幸運も含めて全ては謎のベールに包まれたままだ。
何時かは理解できる日も来るのかもしれないがおそらくは『あの頃は』という懐古の一面で理解して、完全には不可能だ。
夕飯を済まして体をしっかり休める、マッサージもしたし池で冷やしたというのにハンマーを何度も叩き付けたせいか腕が痛くてパンパンに張っている。
どちらにしても明日は休息日になる予定では有るのだがダメージが相応に貯まっているな、もう少し温泉が近くに有るなら通って湯治でもするのだが片道1時間超えは流石にな、仮にバイクとかでも片道1時間となると二の足を踏むし疲労感に体を支配された状態ならゴメンだな、体を休めるための湯治でも最低限の体力が有る状態でないと行けないってなかなかに皮肉が利いてるよな。
いつもより眠りが深かったのか寝起きでも眠気が凄い、レム睡眠中に起きたのかね、いやノンレムだったか、まぁどっちでもいい、なんと言うか無駄に体が重苦しくて鬱陶しいが顔を洗えばスッキリするだろう。
相変わらず身を切るようなキンキンに冷えた池の水で顔を洗う、居酒屋とかで出るビールもこのくらい冷えてると美味しいんだよな、枝豆とから揚げがついてくるならもっと良い、そのまま二杯程流し込んで焼き鳥片手にハイボール、あぁ久々に呑みたくなってきた、今ならソノ先輩でも喜んで誘うし誘いに乗るな。
成人してからビアガーデンや居酒屋に行かなかった夏は無かったのだが恋しくて仕方がないな、忘れていたなら楽だったんだが思いいたってしまった時点で手遅れだ、しかし本当に懐かしいな、涙が出てきそうなくらいに懐かしい、全くおかしなところに思考が飛んだものだ、弊害も含めて楽しんではいるがカオス思考にこんな弊害が有ったとは、なんと言うか今更ながらにこれで良いのかと問いたくなってくる。
とまれ漁を始めなければ悩む事すらできやしない、いやできはするのだがもっと切羽詰まった問題に悩む事にしかならない、それに本当に今更なんだから嘆こうが悩もうが今から思考の性質を変えるというのは不可能で、それならそんな事を思い悩んで無駄に時間を過ごすのはバカらしい。
そんな事に時間を使うくらいなら別の何かに時間を使う、まぁ今日は休息日だから体を休める事にしか時間は使えないのだが。
穴子と小魚で漁を終える、一段だとやや少なめとはいえ予想より好転しているらしくこの調子なら明日には元通りになっているだろう。




