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微温湯

 幸いにしてルートを開拓する時に出た枝葉がルートを辿れば大量にだ、普段通りに焚き付けとはいかないだろうが生木よりは燃えてくれるだろうし錆び落としには十分だろう、水はとりあえず温泉を使うとして後は開けた場所だが川沿いは木が生えていないポイントの方が多いし開拓の必要はない。

 とりあえず搬入して準備を済まして焼いていくとしようか、ついでに焼き干しも炙って昼食にしよう。


 とりあえず開けていて良さそうなポイントに鉄の棒を置いておき薪を拾いにいく、長さが50センチ程度とは言え鉄だから多少は重かったが太さは直径で3センチくらいだろうか、瘤が有ったりして鉄筋コンクリート作る時に使う物に似ていると思うのだがそれならもっと長いしな。

 と言うかどんな経緯で流れ着いたのか謎だが、それを言い出したら漂着物なんて全て経緯は謎だ、トラックのタイヤなんて何をどうしたら海を渡るのか聞きたいくらいだな。


 ある程度の量を確保して早速作業に取り掛かる、比較的乾いた物を選んで皮を剥ぎ細かく裂いていく、数本分を加工したし焚き付けには十分な量だろう、後は何時ものように着火するだけだ。

 何度かミスりつつ火種を作り慎重に薪を加えながら育てていき焚き火と呼べる段階になってようやく一安心だ、流石に普段使っている薪とは雲泥の差だな、可能な限り雨を防いで最低でも2ヶ月は干された物と雨に濡れながら一月足らずとではやはり段違いだ。

今さらでは有るが干場を作って本当に良かったな、雨対策としては完璧ではないにしても外に放置より多少マシどころか雲泥、月とスッポンレベルの差が出てくる、今回の事で改めて理解した。


 まずは昼食を済ませようと焼き干しを炙って食べる、そのまま食べるより食感とかが違ってくるし何より衛生的でもある、少なくとも表面は焼いて消毒って感じにはなるだろう、まぁそこまで問題になるとは思わないがそこは気分だ。


 腹も満たされたところで作業開始だ、拾った布を濡らして巻き付けたところで流石に焼け行く鉄を持つなんて不可能だろうからやり方としては大きな魚の調理法に近い、石を組んでその上に鉄棒を渡し隙間を作りつつ薪で覆う、後はこれに火を移して温泉にでも浸かりながら薪を追加しつつで良いだろう。

 何時ものポイントから少し下るから湯温はやや低いし台も持ってきてないから適当な岩場に服を置くしかできないが温泉には浸かる事ができる。

微温湯(ぬるまゆ)だが浸かっているとポカポカはしてくるし多少は汗も出てくる、体温よりやや上として39度くらいかね、俺としてはプラス2度、いや3度は高い方が気持ちいいのだがこれはこれで良いものだ。


 途中で一度だけ薪を投入して火が小さくなった頃を見計らい温泉から出て体を拭き服を着替える、普段と湯温が違うからか一気に疲れが取れたって感じはしないがかなり楽にはなっているな。

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