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ルーティーン

 もう感慨も何もない昼食までの流れを済ます、相変わらず銛の先に魚を捕らえる事は無いが昨日よりは狙った所に行く命中率が上がっている気がするし、屈折や水面の反射光にも対応してきている、後は魚の逃げる方向を予測する経験だけだ。

 さて感慨も感情も捨てて竹の運搬といこう、ウダウダ考えたり何かしらの感情を込めると心が折れる。

 なお、重くバランスの取りにくい物を運ぶ場合は無駄に考えたりして集中を乱せば一気に崩れて体を痛める、後は持ち上げる時に意識を腰に持っていき、腕力や腰の力ではなく足の力を利用して持ち上げるのも重要なポイントとなる、主にギックリ腰対策ではあるが荷物運びにおいてはかなりの曲者で、留意すべき天敵である。


 二度の休憩も毎度同じ場所でというルーティーンに近い記憶に染み付いた行動として取る、様式美というよりは無理をしない休息の取り方みたいな物で、余裕はあるが一気に行ける程の自信の無さの表れであろう。

 休息と言っても一度腰かければ立ち上がるのが億劫になるのは経験から知っているため、荷物を下ろして屈伸したりノビをしたりする程度で一分にも満たない物でしかない。


 毎度変わらず飽きもせず、竹を運び終えると同時に狩りに向かう、立ち止まればそこから一歩も動けなくなる気がして仕方なく、しぶしぶと動く。

 今日はいつもより疲労が濃いし銛漁は無しだな、小魚と蛸を両手に拠点に戻り調理を開始する、今日は気分を変えるために蛸はボイルした物を頂く。

塩気が足りないが海水で茹でると塩辛いし砂がジャリジャリしそうだし、塩を作らないとこの調理法は美味しくないな、我慢して食べはするがやはり食事は美味しく楽しく済ましたい。


 重い体を鼓舞して寝袋に入り、一瞬で睡魔に負けた。



 人間の順応性は異様なまでに高い、でなければ赤道直下の灼熱の大地から氷雪の大地、山の中の高地から湖の上までを生活圏を拡げたりはできなかっただろう。

 これを大別した考えとして個別に見て俺の場合は多少の疲れや空腹を物ともしない頑強な体に変わっている、眠るだけで回復する程に浅い疲れではないが動きに影響しないレベルにまでは復調している。


 さぁ今日もまたサバイバルの時間だ、野性的な弱肉強食の世界、救いもなく何処までも過酷で残酷で自業自得の自己責任。

それでもきっと昨日よりも良い今日を、今日より良い明日のために行動していこう、新たな何かはこの先の生活をマシにするための何かになる。

 とまれ、今日はシェルターの完成を見る筈で、明日には仮拠点の設営が、その先は未定だが、はてさてどうなるか。

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