表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
496/1039

静かな夏

 夕飯を済ませてテントに引きこもる、明日も朝から動く必要もあるししっかりと体を休めて英気を養うとしよう。



 なんと言うか10月に寝苦しいってそこそこレアな感じがするな、熱帯夜ではないがどうにも暑い、ただ今年の夏の良かった点が有るとするなら蝉だろう。

 あの騒がしく五月蝿いミンミンジージーのオーケストラが今年は全く聞こえてこなかった、間違いなくこの島には居ないからなんだろうが暑さに加えてのストレスが全く無いというのはかなり有り難かった。

早朝よりも早く起きるから関係ないとは言え毎年毎年、夏になれば朝方に鳴り響く奴らの声を目覚ましにするという最悪の気分を味わっていたからな、後は黒い刺客だろうか、夏場になるとどれだけ部屋を綺麗に保っているつもりでもどこからともなく現れる奴らとの戦いはもはや風物詩に近い、奴等もまたこの島には居ないらしくあのカサカサと動く黒光りから久々に解放されている。


 同時に残念なのは夏祭りに花火、キンキンに冷えたハイボールが無いって点だろうな、おそらく既に始まった秋もまた同じくだろう、例えば鈴虫やなんかの声は全く聞こえてこないしそろそろ美味しくなる鍋や熱燗が無いのは残念だ、まぁ鈴虫に関しては実家なら蝉と同じく五月蝿くて仕方がないのだが。

 一時期あまりの騒音にぶちギレた祖父が人を雇って裏山の蝉と鈴虫を捕まえて当時はまだ有った池の鯉に食べさせていたくらいだからな、おかげで翌年が心なしか静かになったがその次の年には元通りで池も埋め戻したせいで捕まえても袋詰めしてゴミ捨て場という割りとグロい光景にしかならないしほぼ意味がないから諦めたんだよな。

虫の繁殖力を前にすると山を覆うくらい殺虫剤撒いたところで意味がない、と言うか例え私有地と言えどもそこまでやると県から怒られるな。


 さて今日もまた漁からだ、テキパキと済ませてお昼ご飯を確保しよう。

 どうやらリバウンドが始まったらしく二段使ってなんとか七割ってところか、スパンが若干短いような気もするがまぁこんなものかね。

残念ながら20年以上生きていてリバウンドをピンポイントで予測できた試しが無い、なんとなくそろそろ来るかなって思いはしてもそれが明日か明後日かは解らないし全く予期せぬタイミングで起こる事もしばしばだ。それこそリバウンドが終わったと思って一週間後にはまたリバウンドに突入なんて事も有ったぐらいだしな、それこそ神のみぞ知ると言うか、サイコロでも使って決めているんじゃないかと思うくらいに謎だ。

だとしたら振っているのは神ではなくご先祖様かもしれないな、サイコロ一つで立身出世した日本史の教科書には載らない、載ったとしても怪しい占い師か良くて軍師の一人として、そんな人ならあの世で自分の子孫の運命を決めるくらいはやっていても驚かない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ