安全地帯
一度拠点に戻り漁果をテントの中に入れて、代わりに忌避剤とペットボトルに如雨露を取り出す、丸1日掛かる作業になるが気合いを入れつつも落ち着いていこう。
とりあえず稀釈するための水を汲むために川に向かう、これを今日1日で何度行うのか解らないが必要な訳だから何度でも繰り返すさ。
とりあえずペットボトルを水である程度満たして薬液を計って加える、残念ながらペットボトルに蓋が無いから満タンにではないがそれでも4リットル近く、墨巣さんの方で3.6リットル近く、それでも数百メートルも撒けば終わるだろうな。
墨巣さんと別れて警戒網の少し外側を目処に撒いていく、慎重に如雨露に溶液を容れて普通に撒くよりは広範囲に撒いていく、一ヶ所を何度も往復させつつ少しずつ前に進んでいきペットボトルが空になるまで進んで進んですぐさま戻ってまた溶液作りからだ。
お昼まで何度も往復してそれでも撒ききれない、まぁ予想通りだし幅を持たせているからと言うのも有るのだが流石に疲れるな。
お昼ご飯を食べて食休みを挟む、さて残りはまだ有るが夕方には終わるだろう、最悪の場合でも夕飯の後にでも追加で作業をするだけだ。
昼からも何度となく往復しながら森の中を進んで少しずつ溶液を撒いていく、木々を避けながら歪な円を描くように警戒網の外側を進んで夕方まで残り1時間くらいでようやく半分くらいまで到達できた、このまま墨巣さんと合流するまで一気に進むとしよう、まぁ溶液作らないとだから終わりはまだもう少し先なんだが少なくともゴールテープは見えた。
一度だけ水の補充をして、溶液が半分になった頃になって墨巣さんと合流する、余った分を適当に撒いて処理して作業が完了する。
これで動物にとって最大の障害が完成しておおよそ一月遅れの安心を手にした事になる、もっと遅れていたらと考えると恐ろしいし昨日まで気付かなかった事も恐ろしい、それでも今日からは安心して眠る事ができるだろう。
いや、これまでも全く気付かずにノウノウとと言うか普通に安眠していたのか。
危険と隣り合わせに気付かずに眠っていたのと、少なくとも危険地帯を理解して、その中で安全地帯を作って眠るのとでは大違いだな。
とまれ、今は夕飯の確保だ、どうせ見た目は全く変わらないし変化を感じる事もない、寝るにしても心持ちが変わるくらいで結果も経過もほぼコレまでと同じくだしな。
装備を変えて磯に向かい何時もの、漁を進めていく、タコが二匹に小魚が少しか、久々にタコ飯でも炊いてみるとしよう。
小魚を煮付けにしてカワハギを肝和えに、タコを米と共に炊き込んで本日の夕食が完成する。
頭からボリボリと骨と共に小魚を食べ、箸休め的にカワハギを食べ、タコ飯を腹に納めていく、今日も満腹だ。




