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 さて、夕飯の漁までやや時間があるし如雨露を量産して墨巣さんとの手分け体勢が取れるようにしておこうか、二人でなら少しは早く作業も終わるだろうしほんの僅かでも数分でも早く安全が担保できるならソレ以上は高望みとしか言えない。

 それでもソレ以上を望むのが人間の業だな、望むなら平穏な日々を、望むなら美味しい食事を、望むなら望むなら、我欲まみれで悟りがどうだのとよく言えたなってくらいにまみれている。

間違いなく俺はこれから先、どれだけの苦行を終えても悟りは無理だな、甘やかされた覚えはないとはいえ残念ながら温室育ちのボンボンに我欲を捨てるなんてのは不可能だ、特に俺を含めて我欲とソレを叶えるだけの力を保持した一族だ、仏門に入った奴も居ただろうが大成はしなかっただろうし、これから先もしないだろう。


 予備も含めた一通りの作業を終えて本当の意味で準備完了だ、とりあえず明日に備えて夕飯と睡眠だが、その前に漁だな。

 テキパキと準備を済まして磯に向かい、水を抜いている間に竹筒を引き揚げる、タコに小魚、それに墨巣さんの突いたカワハギか、カワハギは煮付けに、タコは炒めて小魚は焼く方向で調理を進めるとしよう。

焚き火を用意して魚を捌く、その間に墨巣さんがタコの滑りを取り、煮付けの味付けを済ませてカワハギを投入して放置だ、煮付けの良いところは火加減以外は付きっきりでなくて良いって点だな、せいぜいが煮汁を上からかけるくらいか。


 美味しく頂いて腹を満たす、なんと言うか今日は急場で荒れに荒れたな、明日も同じくだが焦りは禁物だ、落ち着いて事を構えないと失敗するし何度でも一呼吸置いて集中だ、でないと蓋を閉めるのが甘くて触れた拍子に倒れた容器から薬液が流れ出すなんてコントのような終わり方になりかねないし。



 目覚めると同時に雨が降っていない事を確認する、常にではあるが特に今日は雨が降ってもらっては困るし欲を言うならある程度馴染むまでの2日くらいは降ってほしくない。

 とりあえず現時点だと雲がチラホラある程度の普通の空だが暦的にはもう秋、女心と秋の空で有名な秋だ、五月雨やゲリラ豪雨みたいに突発的でないにしても急変に気を付けないとだな。


 何時ものように朝のルーティーンを進めて体の調子を確認する、疲労はややあるが動きを阻害する程ではないし万全ではないが良好と言っても良いだろう。

 とりあえず朝の漁から1日をスタートだ、気が急いてしまっているが落ち着いて一つ一つ確実に片付けていこう、残念ながら一気に前に進むのは不可能だし焦ったところで失敗しか生まないんだから。

タコと小魚に珍しくウニか、しかしこの磯はかなり不思議と言うかフジツボはそこそこいるし亀の手も居るが牡蠣は全く居ないんだよな、ゴツゴツした岩場だから群生地になっていてもおかしくは無い、まぁ何かしらの理由が有るんだろうが謎だよな。

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