一刻を
急いで拠点に戻りテントの中を捜索して溶液の入ったボトルを見付け出す、裏を確認して用法用量、効果期間と使用法を読み込んでいく。
水で400倍程度に薄めて撒く、口や目に入らないように注意、原液だと植物を枯らす可能性がある、効果は天候によるが2ヶ月から3ヶ月程度、まぁ粗暴で使っていた物と差ほど変わらないな、と言うかアレなら俺も使った事があるから楽なんだがそれを祖父に言ったところでだしな、しかし400倍か、目算で量るしかないな。
それに撒くにしても如雨露のような物も欲しいし竹ででっち上げるとしようか、後は溶液を薄める容器だが、これは拾いにいくしかないな、流石に拾った鍋だと捕った魚とか入れるからダメだし、調理用の物は余計にダメだ、だからと言って竹筒だとどれだけ川と往復するのか考えたくもない。
さて、情報は頭に叩き込んだし早速必要な者を集めるとしよう、とりあえず容器だがペットボトルとかで良いだろう、とにかく容量か多くて穴が空いてないならサイズとか形とかは無視だ、如雨露代わりの竹は余っている物がまだ有るから穴を空けるだけで良い。
とにかく急ぎで漂着ポイント、そのためにはお弁当作りからか、いや今から調理してだと移動中の食事、四の五の言っていられないし背に腹は代えられないか、どうせ移動中の食事なんて何度も経験しているんだ、サクサク済ませてしまうとしよう。
タコとカワハギで何時もよりやや遅い朝食を済まして比較的楽に進めるシェルター側の漂着ポイントを目指して歩き出す、こんな事なら漁の帰り道をのんびり歩くなんて馬鹿をしなかったのに、完全に拠点近くの作業だけだと思って油断した。
それでもなんとか時間は捻出できると言うか、捻出しないとドンドン大変な事になっていく、事は一刻一時一分一秒を争うんだ、急ぎ足で海岸線を駆け抜ける。
おかげで昼食の時間帯にはシェルターの側に到着できた、とりあえず移動中の食事は無くなったが流石に息が切れる、食事が喉を通りそうにないがなんとか流し込もう、と言うか墨巣さんは全く息が切れていない、なんと言うか改めて肉体の強度の差を思い知らされたな、俺もそこまで運動音痴ではないしスタミナも減っているとはいえそこそこあるが彼女の場合は桁が二つも三つも違う。
モソモソと昼食を済ませて早速山と積まれた漂着物の選別だ。
目標はある程度の容量があるペットボトルかヤカン、最悪鍋でも良いが竹に移すのが面倒だろうしやはりペットボトルかヤカンが狙い目だな、とにかくこの山から宝となる一つを探し出すとしよう。




