限界
仮想望との攻防を続けて課題だった粘りを見せてなんとか勝ちを拾う、今回はルークとナイトが良い仕事をしてくれたな、特にナイトの牽制が無ければこちらが詰んでいてもおかしくなかった。
まぁ攻め手が苛烈ではなかったというのも有るが、本当に望と打ったなら序盤からもっと苛烈だった筈で仮想は仮想だな。
と言うか対人戦をやってないから棋力は落ちるばかりだな、まぁ向こうも向こうで仕事に忙しくて打ってる時間なんて無いだろうが。
さて夕飯のために漁に向かうとしよう、明日は、明日こそは温泉で湯治だ、楽しみがそこに有るわけだし今なら人参ぶら下げられた馬車馬より動き回れる。
とは言えやるべき事は変わらない、水を抜きながら罠を引き揚げて確認していく。
久々に穴子か、それにタコが一匹、潮溜まりで小魚がそこそこ捕れてカワハギも突けている、晩餐としては十分過ぎるな。
米を炊いてひつまぶし風の何かを作る、まぁ薬味を乗せてって部分が無いから三回に分けてではないが、出汁に関しては小魚のアラから良いのが取れたと思う。
それにカワハギの肝和えに焼魚も作り夕食が完成だ。しかしそろそろ内臓やアラの処理が間に合わなくなってきているな、焼いて灰にして撒くのにも限界があるし何か考えないとだな。
でないと拠点の回りが灰と燃えカスで満たされてしまう、既にかなり広範囲が染まっているし雨で流されたりはしているが大半が残っていて異質に見える。
妥当な所で穴を掘ってそこに埋めていくって感じかね、流石に海に流す訳にもいかないし肥料代わりにというのが限界だろう、とりあえず近日に穴を掘っておこうか、膝が埋まる程度の穴で一月くらいは持つだろうし数は必要だが面倒というほどでもない。
ただまぁ、よくここまで持ったなとは思う、木の根本に埋めたり巻いたり、少しずつ少しずつ溜まってきたのだろうが塵も積もればという言葉の意味をようやく理解できたな。
今日もまた夜も明けきらぬ空を見上げて天候を確認する所から1日が始まる、雲はチラホラ風は穏やか絶好の湯治日和になりそうな空模様だな、とりあえずお昼ご飯は焼き干しになるとして漁を済ませてしまうとしようか。
ストレッチやらで体を叩き起こし、準備を済まして磯へ向かう、毎日毎朝の飽きもしない日常だが飽きてはいけないし飽きる事はない。
マンネリ化はするし、事実しているがこれをやらないと1日が始まらないと言うか、飯が無くなってしまう。




