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対応対策

 しかし対応対策と言っても難しいな、ずっと海を見続けるとか上陸ポイントを見張るとかできないし気付いて連絡したところで近くの警備挺が到着する頃には消えているだろう。

 仮に万が一上陸したとしても同じくで島の内部に逃げ込まれれば山狩りに何日掛かるか考えたくもない。

しかも仮にそれで怪我をしようものなら管理がどうだのと責任転嫁してくるからあたり屋より(たち)が悪い、そもそも不法侵入だと言っても『漁の取材してたら難破して漂着しただけ』とか言い出すだろうし『人命救助しないのか』とバッシングする、マッチポンプじみているがこのくらいは当たり前のようにやってくるだろう。

スマイリーや熊の存在もマズイ、不法に飼育しているとか、スマイリーに関してはそうなるように仕向けて海に飛び込ませて秘密裏に回収したなんて何をどうやっても無理だろと言いたくなるような事を書き立てるだろう、しかも今回は墨巣さんという五輪選手、それも世界記録持ちで若くて美人という大衆受けする人も居てこの数か月は俺と二人きりだ、芸能紙が賑わって仕方がないだろうな。


 考えていたら一気にげんなりして面倒臭くなってきたな、本当に他人事ならどれだけ良かったかと思ってしまうが同時に今回のようなケース以外だと墨巣さんは助からないか最終的に死んでいた可能性もある。

 ある意味で墨巣さんの幸運は凄い、奇跡的に流れ着いた島に問題を解決できるだけのコネと能力を持った一族の人間が偶然居た、それも何かしらが起こる事を事前に察知できる奴が居たお陰で初動はともかくとしてさまざまな準備はできていた、天文学的な奇跡の果てにそれを引き寄せたんだから凄いよな。

だが全くもって誇れないし羨ましいなんて感情は出てこない、人生万事塞翁之馬を信じるならその幸運の対価は家族と命だ、間違いなく等価交換ではない、命を対価に大金持ちで豪運の一族と知り合う、そんな物が運命やら宿命ならクソ食らえだろうな。そもそも親父とは知りあいと言う訳ではないにしても顔を合わせた事は有るわけだし。



 さて、昨日の今日で警戒が必要なんだが昨日の時点でもはや手出しが不能って答えが出てしまったからな、残念ながら見掛けたら通報っていう対症療法的な事しかできそうにない。

 とりあえず朝の漁を済ませてハゼとタコを手にして朝食を済まして焼き干しを持って作業現場を目指す。

その最中に墨巣さんにマスコミ対応について話しつつ考えを伝えておく、認識を共有しておけば何かの時にスムーズに事が運ぶだろうし。

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