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不安定

 竹林に向かいとりあえず選別からだな、太いものと細い物を混在させつつ適当な物を選び、一先ずは竹林の入り口に置いていく、必要量の選別が終ったところでお次は切り出しだな。

 少し見ない間にまた鬱蒼としてきた気がするのだが気のせいではないのだろうな、竹は1日で数メートルは成長すると言うしこの夏でぐんぐん伸びて筍も立派な竹にってところかね。

なんと言うか話に聞く久々に会った親戚の子みたいな感覚かね、俺には居ないが、親父側となると六代くらい前の分家筋があるが付き合いはないし、お袋側はお袋に兄弟は居ないし祖母も同じくだ、俺の認識だと親と祖父母は居ても親族は居ない。


 さて、一通り斬り倒したし搬入作業に移るとしようか。

 竹を数本担いで坂を登る、旧拠点経由が最も楽だろうと森の中を抜けて坂を踏破しまた森を進んで橋を渡る、とりあえずルートの起点に揃えておこうかね。

 若干ながら泥濘(ぬかる)んだ地面に苦戦しつつ坂を下ってある程度開けた場所に竹を置いておく、しかしこうなってくるとやはり坂道の整備も考えないとだな、階段状にして板で土止め、これでかなり歩きやすくなるだろうし泥濘みで足を滑らせる事もない、また新たな壁が現れたが温泉が済んでからだな。

とりあえず年末を意識する頃までは忙しそうで何よりだ、休息続きの余暇に喘ぐより作業の忙しさにかまける方がこの生活だと楽だしな。


 二回往復して竹を搬入したところでお昼休憩だ、午後からはロープと板の選別と搬入、それ以後は休息に充てて明日からの作業に備えるとしよう。

 テントの中のロープの中から適度な太さと長さの物を選び板に関しては記憶違いだったかシェルター側か無かったな、流れ着きはするから拾えば良いだけだが量が必要だしそこそこ大変だろうな。

となるとやはり竹を割ってと言うのがベターだろうし追加で5本程見繕うとしよう、後は念のために温泉回りにも警戒網を張った方が良いだろうからその分もだな、と言っても温泉川を挟んでになるから効果としては微妙だがやらないよりマシだろう。ついでに川の向う側もチェックできるしな。


 選別したロープを纏めておき、竹の搬入だな、とりあえず鳴子をとなるとさらに10本は欲しいな、運ぶ量が雪達磨式に増えていっているが頑張るしかない、向こうに竹林でもあれば楽なんだが残念ながら見える範囲に竹らしき物は無かったな、もしかしたら有るかもだがその可能性に賭けて探索で1日を潰すのは馬鹿らしい。

 普通に運んで、後から気付いて後悔した方がまだ救われるだろう、まぁその場合だと間違いなく心はへし折れるだろうが。

残念ながらどちらにしても後悔するだろうし、なら今は楽な方に転がりたい、例えそれが失策になろうとも後で笑い飛ばすさ、なんなら墨巣さんに指を指されて大爆笑して貰って新しい扉を開いてしまえ。

うん、かなり追い込まれているというか、この生活を続けていて情緒が不安定になっているらしい、かなりトチクルッタ事を思ってしまったな。

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