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鳥頭

 小魚を焼いてクロダイを煮付けに、ご飯も添えて夕飯の完成だ。

 なんと言うかこのキッチンとも言えない設備で料理を作るのにも慣れたな、もはやガスコンロと同じくらいとは言わないがそれに近いくらいにまで火力の調整も容易だ。


 夕飯も美味しく食べたしゆっくり体を休めるとしようか、明日にはようやくあの壁を乗り越える事ができると思うし、明後日は休暇にして久々に体を拭って、いや整備はされていないが温泉まで出向いてサッパリしようか、残念ながら浸かるには浅いだろうが汗を流して汚れを洗い流す程度は可能だろうし。



 目覚めと同時に天候をチェックして準備を済ましストレッチで体を伸ばして漁に向かう。

 何時もの朝の動きだが普通の日常生活に置き換えると漁の部分が出社になるのだろう、まぁここまで早朝に起きる事はないし出社の前に朝食が加わるが。

なんと言うか染まりきって慣れきって忘れてしまうがまだ島に来て半年も経っていないんだよな。

と言うか考えてみればそろそろ奨学金の3分の1くらいを返した事になるんだよな? 高校と大学でざっと2000万に届かないくらいだから600万近くが払われたのか、なんと言うか気が遠くなりそうな額が動いているな。

お坊ちゃんとか呼ばれる立場なのは理解しているしギャンブルでそこそこ稼いだ身だが流石にここまでの大金はお目に掛かった覚えはないな、いや札束なら何度となく目にしているからお目に掛かった事は有るのか。


 等と思考を巡らせる間に漁と装備を入れ換えが終わったな、集中すべき場面で他の事に意識を持っていかれるとは情けないな。

 下手をすると怪我をするし最悪は死ぬ、ずっと気を抜かないというのは無理だが心持ち一つで大きく違う、これが何度目かは解らないが心に刻んでおこう。

と言うかウッカリにしても忘れすぎだな、俺の脳は鶏並なのか? 或いは慣れによるものか、どちらにしても大問題だな。


 ようやく到着した壁を前に若干ながら引いてしまう、あれだけやってほんの数メートルという現実が重くて今日で一山越えるというのに嬉しくはないな。

 墨巣さんと交代しつつ藪を切り開いていくがかなり楽になっているな、どうやら手前の方が深く奥はそれほどでも無かったらしい、と言うか最初から最後まであの感じだと間違いなくまだ終わってないな、いや現時点では終わってないから終わりそうにないと言うべきか。いずれにしてもやる事は変わらないがこれなら随分と救われる。

お昼休憩を挟んで後一息って感じだな、この調子なら夕方を待たずに貫通できそうだ。

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