北斗七星
拠点に戻り装備を入れ替えて夕方の漁だ、さて夕飯は何になるのかね。
タコにウツボに小魚が少し、墨巣さんがカサゴか、なかなかに豪華な面々だな。
とりあえずご飯を炊きつつカサゴとウツボを捌いてカサゴは揚げ物にしよう、タコも揉んで滑りを取って唐揚げに、小魚は焼いてウツボは煮付けてみよう。
テキパキと準備を進めつつ平行作業で進めていく、竈があるとそういう面でも楽だな、焚き火で煮付けを作りつつ竈で米を焚きといけるし、焚き火を二つ作るより安全で管理も楽だ。
米を蒸らす間に揚げ物を作りつつ小魚を焼いていく、揚げ物用にカレー塩を用意して煮付けを火から下ろして味を馴染ませる、本来なら一度完全に冷ましてから温めなおすのが一番なんだが流石にこの時期だとな、それだけで以前に時間が掛かりすぎる。
美味しい夕飯に舌つづみを打ち、片付けを済ませてようやくお楽しみの時間だ、先月は天候に恵まれなかったから2ヶ月ぶりの天体観測となる。
全ての片付けと準備を済ませて池に向かう、昨日と同じように空を見上げてみれば満天の星だ、毎日毎日、天地開闢より一度として同じ空はないと言うが流石に一回くらいは同じ空は在ったと思うのだが人間の目で見える範囲ならそうだろうが全ての銀河に至るまでを含めれば確かに同じ空は無さそうだ。
まぁもしかしたら二週目とかに突入してるかもだがその場合、幾つかの星が消え、代わりに新たな星が生まれているだろうし結局は同じ空は無いか、小学生で習う北斗七星でさえ数世紀前とは形が違うらしいしロマンだな。
俺から見れば満天に散らばる星としか見えないし、何がどうとか解らないし、どれが北極星で北斗七星かも解らないような体たらくだが望辺りからみたら違うのだろうな。
ギリギリ夏の大三角は解るがどれがデネブでアルタイルでベガか解らない、確か織姫と彦星がベガとアルタイルでそれを渡す白鳥がデネブだったか? って事は天の川を挟んで向き合うのがそうなんだろうがどっちが織姫でどっちが彦星か不明だな。
と言うかデネブだけ解るし白鳥座なんだろうがどれとどれを結べば白鳥になるのか不明だ、古代人の想像力と妄想力には脱帽だな。
1時間程星空を楽しんでからテントに戻る、本当なら夜明けまで楽しみたいところだが明日も早いしここが限界だろう。
昔と違って徹夜でというのはかなり問題があるし危険すぎる、何時の日か望と星空を見上げる日が来たならその時は彼女の解説と共に一晩を明かすとしよう。




