完璧の歪み
筋肉痛もスタミナ切れも残火レベルって感じだが燻ってはいるか、何かしらの燃料を注ぎ込んだらいい感じに燃え上がりそうだな。
天候は良好その物だし、とりあえず昼飯の確保をしてから今日の予定を考えよう、それこそ午後くらいまでのんびりってのもアリだし、一通りの作業でどの程度の変化があるかの指標にもなる。
何時ものように漁を済ませるが相変わらず焼き干しメインだ、それほど気合いは入ってくれない、嫌いというわけでもないのだがやはり新鮮さを求めてしまって食欲は沸いてこない、かと言って無駄にしたり捨てたりと言うのは祖母の教えに反する。
拠点に戻る頃には燻っていた火種が蝋燭の火くらいには燃えてきているな、スタミナは問題ではないが筋肉痛が地味に体を支配していて動かせなくはないが精細は欠くな。
さて、精細さは求めないし必要ないが、間違いなく効率は最悪だな、それこそ現場に到着する頃にはテンションも下がって、問題ないはずのスタミナも再加熱してきそうだ、ここはもう勇気ある撤退として少し様子見といこう。
テントに引き込もって休むしかないわけだが、墨巣さんはどうなんだろうな、スタミナ的には俺とは比べ物にもならないくらいに有るだろうが、かと言って距離的に一人で作業ってのもマズいし俺が付いていって見続けるのもオカシナ状態となる。
申し訳ないが付き合ってもらうしかない、本当に情けない限りだがスタミナの絶対値が日々減少して回復も遅く、何より肉体が弱っている、残念ながらこれが限界だ。
お昼ご飯が済む頃にはマシになっているという淡い期待は露と消え、相変わらず筋肉痛が燃え上がっている、我が体ながらここまで弱いとは情けなさを通り越して呆れすら下に置いて、もはや称賛の域だな、当然ながら皮肉となるが。
この体たらくはクソッタレと叫びたい気分だな、自分の意思でどうこうなる問題ではないとはいえ、根性でどうにかはできるのだろうが間違いなく後々に響いて最悪の結果しか呼び寄せない。
明日を考えるなら休みしか手が取れないが納得は全くできない、やる気はあるのに何もできないというのは気分が悪い。
なんと言うかストレスが燻ってくるが抑え込まないとだな、変にスタミナを消費してしまうし徒労にも程がある、まぁ抑え込むのにも体力を必要とするというか、効率を優先こそすれ、完璧主義者というわけではないが完璧を求めるとこうなるんだよな。
合理主義と完璧主義の弊害だろうな、多少の無駄を良しとする器量と度量を持ちたいものだ、我慢や諦めとも違う、受け入れるという強さを俺は持った方が良いらしい。




