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変人

 墨巣さんに断って少し時間を置く事にする、当然ながらスマイリーの事を考えていては熱量が増すばかりだし全く別の何かに時間を使うとしよう。


 チェスとストレッチに水浴びで時間を潰して、そこからさらに無の境地で気分をリセットする。

 夕食まで残り1時間と少し、さて改めて情報の整理と多角的観測だ、肯定と否定、その中間、あらゆる可能性を網羅していく。


 結論としてはどちらにしても証拠が足りず、また証明のしようがないって答えになる、残念ながら今この瞬間にスマイリーが現れて、何もしないで去ったとしてもそれを証拠にはできない、その時だけだったと言われればその通りかもしれないしそうでないかもしれない。

 残念ながらスマイリーが話せでもしない限りはその意図を読み取るのは不可能で、仮に話せたとしてもそれを信用するかどうかは相手が人間であったとしても簡単にはできないしな、それこそ崖から落ちそうになっている所を助けられたとしても答えは出ないだろう。


 とりあえず警戒レベルは今のまま維持してもう少し様子見かね、と言うかコレから先半年以上を様子見って感じだろう、ほだされてはいけない、確かにスマイリーに対して憎めないという感情は有っても、野生に対しての方法としては下の下だ、仮に下の下に落ちるとしてもとりあえず触れなければ良い腫れ物扱いくらいが妥当だろう。

 方策は決まっているしとりあえず墨巣さんと再協議だな、もしかしたらこれもまた異端である可能性があるし、墨巣さんの意見も聞いておきたい。


 「やっぱり異常よ? 拠点からそう遠くない位置に何度も現れているのだから警戒レベルは引き上げるのが当然でしょ?」

 なるほどな、ぐうの音も出ないとはこの事だ、警戒レベルを引き上げるとか頭の片隅にすら芽生えなかったが普通に考えたらいの一番に浮かんで然るべきだ。

これはもう言い訳のしようもない、どうやら俺はかなりの変わり者で世間ズレしているらしい、比較的冷静で合理的な性格って思っていたがどうやら幾つかのネジがぶっ飛んでいるらしい。だから先輩を筆頭にしたあの濃い面子と長いやつで20年近く親交があるのか、今更ながら納得してしまうな。


 なんと言うか改めて突き付けられて、思い返してみると、なかなかに変人奇人だな、初対面で漂流してる相手にあの対応とか、引っ越しのためだけにシェルターとか、探索の時間確保のために仮拠点作ったりとか、合理的からはほど遠いな、その時は最適解と思っていたが思い返せばその場のテンションに任せていただけで、言わばずっと浮かれっぱなしな訳か。

 もう少し時間が欲しいと告げてそのまま漁と夕食を済ましてテントに引きこもる、改めて現実を直視するとかなりクルものがあって逃げを打ってしまうが、ちゃんと向き合わないとだな。

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