蝸牛
少しばかり念を入れて整備して、そこからさらに通路を拡張しつつ整備していく。
前に進んで進んで、1キロ程は進んだ所で切り上げて拠点に戻る、流石に森をとなると作業が進まないな、下草だけではなく枝葉もと言うのがそれを加速させているが、仕方がないだろう、これでも刈った下草や枝を放置しているからかなり時間を短縮している。
一ヶ所に纏めていれば時間がどれだけ有っても足りないだろうな、しかも仮にスタート地点近くに積み上げるとした場合、前に進めば進む程に持ち帰るのが大変になるわけだから後半は切り開くより運ぶ時間の方が長くなるだろう。
となると、やはり放置しかない、要所々々で纏めていくにしてもやはり時間は掛かってしまうし残念ながら諦めるしかない。
トボトボした気分で拠点に戻りお昼ご飯だ、気分だけで実際はトボトボ歩いたわけではないがなんと言うかダウナーテンションだ。
昼食を終えて食休みを挟んで作業再開だ、とりあえず午後だけで三割も進めば御の字かね、微妙に枝葉の多いポイントが多いし迂回も多いから距離としてはそれほど進めないだろうが。
ひたすら枝葉を切り落としていくが二人で行っていても前には進めている気が全くしない、牛どころか蝸牛の歩みだが前には進めている、進めているのだが実感は薄い、徒労感が重く乗り掛かってくるな。
ひたすら前に進んでその度に枝葉や下草を森の中に投げ込んで処理していく、蛇やミミズが這うようにグネグネと折れ曲がって、直線にするとほんの数百メートルしか進めていないが切り開くにはかなりの苦労しかしない藪や大きな岩がゴロゴロと転がっていて一目で危険な場所、残念ながらそこを通すのは無理ではないが多大な時間と労力を必要としてしまい、それならまだ迂回した方がやや早い。
時間に余裕を残しつつそろそろ切り上げようかって段階でようやく二割と少しってところか、予想より距離を稼げていないな、とは言え最初の難所はほぼ越えた、中盤と後半にある難所は少ないし、ある意味ではここが天王山と言っても過言ではないな。
残念ながらまだ登り切れてはいないが頂上は見えた、長丁場になりそうだから見えたとは言え足踏みは必至だろうがそれでも先行きは明るい。
さてそろそろ戻って漁の準備だな、今日はご飯も炊きたいし何が捕れるか楽しみだ。
のんびり歩いて拠点に戻り準備を整えていく、しかし体へのダメージ的に明日の作業で限界って感じかね、このペースとダメージ具合だと明日1日で半分も進めればという感じだが、やはり長丁場だな。




