派手に
歩いて歩いて拠点まで戻り、すぐさまお昼ご飯だ、なんと言うかかなり疲れたな、食休みを挟むとは言えかなり効率が悪いというか、かなり無駄が多い感じがしてしまう。
おそらく午後の時間をギリギリまで使っても八割も進めば御の字で、消費するスタミナは間違いなく膨大だ、それも開拓としては簡易も簡易、最低限移動しやすいように下草をある程度刈っただけだ。
これは思っていたより大仕事になりそうだな、下草を片付けるだけでも3日は欲しいし枝を切り落としてとなると半月は見た方が良いな。
少し長めの食休みを経て、さぁ作業再開だ、とりあえず海岸線を進んでだな、大まかな位置関係を便りに森を抜けるのは迷子になるだけだろうし、目印を付けたポイントまで移動してそこからと言うのが最短距離だろう、位置関係を完璧に把握できるなら必要もないんだが残念ながら地図はないし、有った所で目印となる建物はないから登山知識でもない限りは迷子だな。
残念ながら登山知識は昇のおかげで地味に有るが地図をどうこうする程ではないしな、昇や親父さん、後は狸爺も登山地図くらい読めるし、歩いた時間や状況から距離を割り出すなんて余裕なんだがな、まぁ狸爺は歳も歳だから登山は無理だろうが。
海岸線を進んで砂浜に突き刺さった木の枝とロープを確認する、とりあえず入り口は問題なくだな、後は森の中で目印を見失ったりしなければ迷子になる事はない、ロープを回収しつつ森を進みようやく中断ポイントに到着だ。
これだけで1時間と少し必要って辺りで先の長さを理解してしまう、とは言え通路が完成さえすれば2時間強の距離が2時間と少しくらいにまでは圧縮可能だ、その未来を目指して頑張るとしよう。
下草を刈りつつ目印を付けながら少しずつ前に進んでいく、途中でかなり鬱蒼とした木々のポイントを迂回したりしつつ距離をドンドン伸ばしていく。
時おり派手に折れた枝や皮を剥がれた木などが現れてスマイリーか鹿辺りが派手にやったらしい。
こういうのを見るとここが野生の一丁目一番地ってのを理解してしまうな、幸いな事に痕跡は古い物の方が多いが時おり真新しい物も有ってドキリとしてしまう。
しかし枝や木の葉を集めたらしき、おそらくは寝床と思われる物が幾つも有ると言う事はだ、ゴリラが群れ単位で生活しているか、生態的に一ヶ所に留まらないか、あるいはまだ見ぬ何者かが居るか、一つ目と三つ目は考えたくもないから二つ目の想定が正しい事を切に願うが、残念ながら今のところそれぞれを確信に変える証拠はない、あくまでも想定で妄想の範囲から出ていないな。




