カオス
しかし墨巣さんからゴミを見る目で見られているのだが、これは信頼度はマイナスに振りきれていると考えていいな、あんな事を言われれば当然と言えるし事実ではあるのだが。
それでもなんと言うか釈然としないし死なばもろともに巻き込まれた感じだな、その上でやはり俺の責任も多少はあるのだろう、あるのだろうが素直に飲み込めるはずもない。
この変態をどうしてやろうかとも思うのだがどうしようもない、残念ながらこの変態は海の向こう200キロ以上先の陸地のそのまたさらに先、不本意ながらぶん殴るにしても距離が有りすぎる、だが奴の地獄行きは確定している、それで溜飲を下げるしかないだろう、どちらにしても戻ったら一発と言わずにぶん殴るが。
困った事に絶賛冷たい目で見られているのだがとりあえずそっちは触れないでおこう、なんと言うか触れれば怪我触れなくても怪我、どちらにしても怪我しかしない、なら少しだけ後回しにしたい。
電話の向こうでモガモガと叫ぶ気配のする先輩と頑張ってくれているらしい望の格闘音が物悲しい、これはもうカオスとしか言いようがない。
明日にでも電話した方が良い気もするが済ませてしまおう、どうせ数日は逗留するだろうし望もそこまで付き合わない、となるとフリーの先輩と我が家と墨巣さんというクトゥルフも真っ青な混沌の宴だ。残念ながら先輩に知られた時点で何時かはそうなるという確約で、たまたま墨巣さんが流れ着いてからとなり、俺にとって最悪のタイミングと重なったってだけだ、リバウンド期でなければもう少しマシな結果になったのかね。
「とりあえずこっちもそっちも動きはないか、ただし今後に懸念材料としてバカが来る可能性アリと、なんと言うかカオスだな」
状況も状態も進捗も、あれもこれも含めてカオスだ、これに収拾をつけるのは不可能だ、仮にツッコミに自信のある芸人を連れてきても無理だろう、それこそ閻魔様でも裁けない。
しかしこの状況をどうにかできると言うのであれば喜んで招致する、俺はもう諦めたしなんと言うかいっそ清々しい気分だ、あるいは現実逃避の極地だな。
もう電話を切りたいところではあるし、電話の向こうも対応できないくらい荒ぶっているらしい、ほんの数カ月会わない間に悪化してないかあの人、仕事でストレス溜まりまくりなのかね、だとしたらあのソノ先輩をそこまでストレス漬けにできる上司か同僚をある意味で尊敬する、言動はオカシクても能力は嫌と言うほどに高いし大抵の物事なら容易く片付けてしまえる才媛をここまで荒ぶらせるとか尋常じゃないな。




