狭い
若干ながらポツポツと、小さく聞こえる水音が朝からやる気を削いでいく。
テントから顔を出してみれば幸いにも雨は降っておらず、どうやら夜中に降った雨が木の葉から落ちる音だったらしいが地面はそこそこ濡れている、泥っぽくはないからそこまで強い雨じゃなかったんだろうと類推できる、それでも漁の成果とかにはかなり影響があると見ていいだろう、最悪海が荒れていて漁は無理っていう可能性もあるしな。
準備を済ませて磯に向かえば多少は波が強いが漁は問題なく行えそうだな、風もそれほど強くないし理由としてはその辺りかね。
それでもロープを引き上げるのには苦労して結局中は空だった、本日の成果は潮溜まりで取れたハゼとオコゼだけだな、墨巣さんの方は流石にこの波だと魚影も見えず不漁だろうと思ったのだが何故か、本当に何故かカワハギを突いていた、野生の勘にしても鋭すぎるな。
一度拠点に戻りまた磯まで下って砂利運びだ、おそらくと言うか間違いなくお昼までには終わるだろうがその後には石運びが待っている、憂鬱ではあるが進めるとしようか。
建造現場に砂利を運び込むが手狭だな、竹も運び込むとなると作業スペースに困りそうだが一先ずとして柱を埋め込むから少しは、いやスペース的にはやはり厳しいか、かと言って橋を拠点で作って運んでというのは難しいし辺りを切り開くにしても少しばかり木々を倒したところでだな。
まぁそれでも数本も斬り倒せば厳しくとも余裕は生まれるし、さてどうするべきかね。
少しばかり厳しい物は有るが隙間に通す形なら作業は可能と言えば可能だが、可能というだけで進捗率としては現実的ではないな、一本、いや三本程斬り倒せば現実的なスペースは確保できるか、それでも狭いが少なくとも今のままよりは楽だ。
とりあえず砂利の運び込みを済ませるとしてその次は作業スペースの確保かね、まぁ砂利の運び込みに関しては拠点側は終わって向う岸だから少々と言わずに大変なんだが。
いや待てよ向う岸だ作業スペースが有るならそっちで作業を行えば良いよな、移動に時間は掛かるが竹なら渡すのは簡単だし橋を作るのは1日2日で可能だ、場合によってはスペースを確保するより早いし楽かもしれないな。
とりあえず砂利をバケツに入れるために磯まで向かい、一掬いした後はすぐさま戻って池を迂回して川を下ってと割りとと言うか普通に大変だ、さて対岸に到着した訳だがあまり変わらないか、これならまだ拠点側を少し拡げた方が楽だし早い。とりあえず材料を集めるとしてその後である程度木を間引くと言うか斬り倒すとしよう。




