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罰あたり

 恐ろしさはまだ続く、基本的に天運持ちは数代に一人くらいなのだが平成生まれの彼から300年近く天運持ちは生まれていない、幾ら一族として運が強めで土地等の財産を持っていたとは言え落ち目も近くジリ貧近く、もはや土地の切り売りをしなければならないくらいに追い込まれた頃に生まれたのがギャンブル、主にカードゲームに特化した天運持ちである曾祖父が生まれる。

 残った財産を一代で全盛期とまではいかないが相当に回復して息を吹返し、過去に例のない二代続けての天運持ちである祖父が生まれる、そして数代遡って富を産む、まるで約束されたような運びに恐怖しかない。

こんなだから我が家の墓石削って持っていこうとする不道徳者が定期的に現れて、博徒達が我が家に礼拝染みた行動をするようになるんだ、等と毒づいたところで止めようもない、一応我が家というか、町に一歩でも踏み込んだら不法侵入で逮捕可能なんだが生活者に用が有るとか、何かしらの営業とか、或いは有名なカフェに来たとか適当な理由を言われればどうしようもない。


 一応は町の道の七割私道でビルもマンションも我が家の外庭に建ってるって事になっているから正式に『入るな』と勧告したら入れないんだが無駄だしな、せいぜいが大通りと十字路に監視カメラ付けて警察と連携取って墓荒らしを未然に防ぐしかない。

 と言うか我が家の墓には初代は眠ってないんだがな、あの人日光に墓あるし、行くならそっちに行って欲しいがそれはそれでどうなんだろうな、顔も知らない数世紀前の先祖とは言え気分が良いとは言いがたいし。

そもそも墓石削って持っていったところで運が良くなるとも思えない、むしろ怨嗟しか生まないと思うのだが誰が言い出したか知らないが意味不明だな。


 「とは言え今は少しばかり流れが悪いらしくてな、俺が島に来た日がかなりの動乱で爺さんでもマイナスが出たらしい、まぁ近いうちに取り戻すだろうし、また新しい何かを探し出すんじゃないかな」

 ただ年齢的にそろそろ新たな何かを見つけ出すのも難しいとは思う、祖母が逝ってから老け込んでいるし老獪さは残っているが少しばかりキレがないと言うか苛烈さに欠ける。

全盛期なら墨巣さんに不便を感じさせる事なく問題を処理できただろうし、タイミングの都合上で仕方がなかったとは言え後手に回りすぎている。流石に数カ月でというのは無理だろうが、なんと言うか色々と足りていないような気がしてならない。


 「新しい何か・・・・・・ね、宇宙の次ってなるとどんなスケールになるのか考えたくはないわね」

 「別にスケールアップするとも限らないが、まぁ年齢的に行き着く前にお迎えが来ると思うぞ、短期的になら何件かで実を結ぶかもだが」

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